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サウダーヂ サイタマノラッパー そして地域づくり

 以前にサウダーヂとサイタマノラッパー3の映画を取り上げましたが、今日は地域づくりとクロスする、その視点について考えてみます。ちょっとこじつけもありますが(笑)・・・。

 2つの映画が、共通に土台にしているのは、「都会へのあこがれ」というベクトルです。多くのメディアがお茶の間に(特に田舎の)届けているのは、これだといってもいいくらいのものですね。そこに映し出されるベクトルの先には、華やかな都会でのいわゆる勝ち組といわれる人たちです。これはとんでもなく少数なんですが、そうでもないような雰囲気で伝わってきます。しかし、勝ち組が少数でなければ、究極のネズミ講である資本主義ではないですからね。間違いなく、ごくごく一握りの人たちです。

 このベクトルが有効になるためには、死屍累々と積み重なる多くの敗者の山が必要で、都会に出て行く多くの田舎の方々が勝ち組になるなんてえのは、殆ど幻想の世界だと思うんです。昨年亡くなった柴谷篤弘さんが、「前衛は死屍累々となるのを覚悟して生きなければいけない」みたいなこと言ってましたが、死屍累々となるのは、革命の前衛ではなくて、一般の夢多き若人というわけです。華やかな都会では、見た目、敗者に見えないし、本人もそう思ってないんだけれど。

 さて、これが地域づくりとどう結びつくのか?

 ある地域づくりで大成功をおさめている団体の、影の代表(苦笑:しかし表にでないようにしているらしかったので)に言われたことがあります。「これからは、田舎も勝ち組と負け組にはっきり分かれるよ。それがグローバリズムの真実だから、地域づくりものんびりしてたらやられるよ」 そんな言葉に思わず失望しそうになったことがあります。そして、この競争から降りなきゃだめだなと直感したんです。その団体は非常にマーケティングに長けた感じの、戦略的なところでした。

 特産物を作ったり、都会の人たちを呼び込んだり、そんなことをコンサルタントなどの言うがままにやっていくと、そういうものに巻き込まれるんじゃないか。それは、ネオコロニアリズム的なものによる地域の再編成・再収奪に他ならないんじゃないかと思ったりします。

 誤解されると困るので(別に困らないか)、付け加えますと、そういう方向に進みたい人はドンドンいってください。もしかしたら、大当たりで勝ち組になれるかもしれません。外貨を稼いで、再分配してくれる人も必要ですから。ただ、本当に一握りなんですよ。そうじゃなければ、ネズミ講成り立ちませんからね。

 新しい緑の党みたいに、国民皆農なんていいません。ただ、勝ってると思っていても、実は負けてるって言うことでいいのならばです。

 そんなことを思っていますが、ではどうするのか?私は他の道を探すべきだと、そう思います。小さな地域で、経済的には豊かではなくても、楽しく暮らす。鎖国的なコミュニティでもいいから、江戸時代の自然村のような暮らしです。世界や国際社会から相手になんかされなくてもいいんです。そこに住んでいる人たちが楽しければ。

Photo

 それが、サウダーヂやサイタマノラッパーの中で描かれている、笑いを誘う場面とリンクするんですね。まあ、映画の中では、トリックスター(ライムスター宇多丸氏は狂言回しといってましたが)として登場している、サウダーヂでは土方のおっさんたち、SR3ではイックとトムなんですよ。特にイックは、水戸黄門のうっかり八兵衛をほうふつさせます。体形的にも。

 グローバリズム的なものは、サウダーヂだと、政治家の講演会とか、日輪水という湧き水商法、ヒーリング系・祈り系のイベント(実はドラッグでジャブジャブ)、イメージ先行のブライダルサロン、なんかであらわされます。

 SR3では、ラップのぼったくりイベントと、マイティの落ちるところまで落ちた生活といったところでしょうか。勝ってる側にいるつもりが、負けてるっていう(くだんの宇多丸氏は搾取する側とされる側といってましたね)。

 そんな中で、楽しそうなのはこの二人なんですね。

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 成功とか求めずに、埼玉に残ったこの二人。ラップのイベントに出るために来た宇都宮で、何がうれしいかといったら、餃子を食べることだったりするんですよね。

 サウダージの方では、土方の親方がいいんだよ。鹿肉を食べたいがために、車が壊れるのもかまわず、現場からの帰り道で飛び出した鹿をわざと轢いたり、現場でお昼から酒盛りになってしまって、夕方代行を呼んで事務所へ帰ったり。なかばやけくそ気味で生きてんだけどね。

 そして、圧巻はSR3のラストシーン。都会へのベクトルを求め、挫折して、しょうもない世界で生きざる得ない、死屍累々とした敗者の山の中に埋もれざる得ないマイティに対して、こっちは楽しいから戻ってこいよ的な呼びかけをしてるんですよ。

 ここに希望はあった。

 そう思うのは私だけ・・・かな。

 

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