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2012年8月

ジブリ映画のようにも見えてしまう 「ももへの手紙」

  アニメです。なんでもジブリ映画の高品質を支えているアニメ職人たちが作った映画だとか。可愛らしいチラシの絵に誘われて、見に行ってみました。

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 瀬戸内海の小さな島の親戚の家に、母親が移住したがために、ついてこざる得なかったももという女の子。その家は、昔風の佇まい(もうこれで、「おおかみこども」と似通った匂いがしてしまったのでした)。そして、なくなった父親(そういう設定)が仏様になるまで、ももを見守る妖怪のような存在が3名(なんだか知らないが、ももや幼い子供には見えてしまう)。

 ここを中心に、ややドタバタ劇気味に物語は進みます・・・と書いてきて、なんだかトトロの世界にも見えるし、ポニョのようにも感じるし。まあジブリ関係の職人が作っているのだから、当たり前か。

 話は一種の少女のひと夏の成長譚。夏の日々を過ごした最後に、急病の母親を助けるために、嵐の中を瀬戸大橋のような橋(通じてはいるが完成したわけではないという設定)をわたって行くのですが、さて、それで、どうしたのか・・・という肝心なところがよくわからない。医者を連れてきたのか、薬でももらってきたのか??一番大事なところが、へんにぼかされてるんです。う~~ん、どうなのだろう。

 アニメだから、話の辻褄なんてどうでもいいんだろうか?そんなことななくて、大事な場面はつじつまがあって欲しいかな。

 そして、その結果、宮崎駿の作家性のすごさが逆照射されるという皮肉な結果となっているのですよ。荒唐無稽、話のつながりのなさなど、宮崎駿がつくると辻褄が合わないものも許されてしまう。でも、このももへの手紙では、そこが目立ってしまう。これはどういうことだろうか、と考えたわけで。それは、ひとえに、「訴える力」の差ではなかろうかと。そんなことを感じさせうる一品になっています。まあ、何も考えなければ、これはこれでさわやかないい作品なのだけどね。そんなことじゃダメか((^O^))。

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東京農工大とのワークショップ 大成功でした

 先日よりお伝えしていた、東京農工大と協働でのワークショップ。当初いろいろな事情で、どれだけ集まるか、非常に心配していたのですが、25人近くの方が集まってくれ、とてもよい催しになりました。

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 まず、今までの御射山神戸での東京農工大の取り組みを説明し、ワークショップのやり方を確認しました。今日は、集落の問題点やいい点などをみんなで出し合い、話し合うという、ちょっと雑談風のワークショップです。8人で1グループを作り、そこに学生さんが2名ずつ入り、進行役を務めます。

 事前に、学生さんたちが集落を回って、外から見た御射山神戸という掲示物を作ってくれました。

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 これを、ひとつのたたき台にして、それぞれのグループで雑談します。

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 このグループは、私らのメンバー(御射里の会)が固まってしまったのですが、ほかのグループは、新たな参加者が目立ちました。

 色々な話が出ましたが、

①農業の基盤が整備されていないのに、灌漑などがきちんとされている原村と競争しなければならない当地の農業は不利。とても後継者を都会から呼び寄せるなどできない。

②若い人の生活スタイルは、私たちが教育してきたもの。都会に出ていくようにある意味、仕向けたのも私たち。

③若い人たちの中でも消防に参加している人たちは活気がある。全国大会にも出ているが、家庭が犠牲になってるのも事実。もっと普通に暮らしながら、元気や活気が出るっていうのになればいいのに。

 などという意見が出ました。

 それらを学生さんがまとめてくれ、みんなに発表。

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 なかなかいい感じで、全体を終えたのでした。

 色々な話の中で、一つ残ったが、よその農村部から嫁に来た方の、この地域への感想です。隣近所のつながりが、なんとなく冷たい感じがするというのです。いざという時に助け合うような、そんな感じがしないと・・・。もともと生まれた村では、もう少し、相互扶助の感覚があったとか。そんな本音も出たりして、とても有意義なワークショップになったと思います。第2回は10月。今回より多くの人に出て欲しいかなと思いました。

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原村 星空の映画祭 

 ずいぶん前から、夏休み期間中に原村で夜間の映画祭がやられているのは知っていましたが、あんまり観たいと思う映画がなかったので、全く行ったことがありませんでした。今年、オッと思うものが何点か有り、前売りを買えば800円で見ることができることも知り、出かけてみました。

 会場は、自然文化園。たぶん標高1200mくらいの場所です。涼しいというより、半袖で行ったので、地元の人間でも、正直「寒い」くらい。ちょっと羽織るものを持っていくといいと思います。ホームページには、虫刺され注意とか書いてありましたが、8月はじめならともかく、立秋すぎれば蚊は大丈夫でしょう。ただ、ほかの虫全般にさされる可能性は否定できませんので、お肌の露出は最低限に・・・でしょうか。田舎者は大丈夫(多少刺されてもという意味)だと思います(^O^)。

 その日は、ちょうど雨が降ったり止んだり。でも、スタッフの方がテントを準備してくださったので、濡れずにすみました。もちろん、レインウェアは持って行きましたが・・・。

 星空を観てなんたら、とか 自然の中で・・・とかいう謳い文句ですが、まあ、地元人間としては、普段遠くまで(岡谷とか松本とか)観に行っている映画を、晩御飯食べてからちょいと出かけるだけで、観ることができるっていうのが一番の魅力かな。

 映画館で観るより、なんとなく開放的な感じはします。

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 一応、チラシです。今年の目玉は「サウダーヂ」。8月24日の上映。多分混むんだろうなぁ~。でも観に行きます。お見逃しなく。

 いろいろ調べてみると、一度とだえて、主催の方が若い方に変わっての再スタートのようで、世代交代により活性化したようです。

 で、なにより、これが収穫かなと思ったのは、この映画祭をきっかけに、自主上映をしていこうという動きが出ていることです。手始めは9月6日に、茅野の新星劇場にて上映される、「カンタ!ティモール」。

 東ティモールの問題は、若い頃から、知り合いがやっていましたので、何とも感慨深いですが(もしかして出てくるのかもと思ったりして)、こういった映画が、こんな地方でも、短期でも上映されることが大事なことですね。

 自主上映は、集客、資金と厳しいものがいっぱいあります。まして継続的にやっていくのは本当に大変だと思います。今まで、何回か単発でやってきたので、そのへんの苦労はよくわかります。頑張って、松本シネマセレクトまでいかなくても、そのミニ版くらいには、育ってほしいものです。

 といってもできることは観に行くことくらいなのでえ、せいぜい観に行って、応援いたします。 o(^-^)o

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名古屋 千種 正文堂 とてもいい光景・・・

 前々から行きたかった、名古屋の千種正文堂にいってきました。店内は撮影できなかったので、外観のみです。

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 手前の2階建ての「本」の看板のある建物と、となりにくっついている4階建てのもの。本のイベント、名古屋ブックマークなどの中心的な役割を果たされている本屋さんです。

 前後両方の通りから入れ、北側の一階はごく一般的な雑誌、ベストセラーなどのコーナー。奥(南側)に人文専門書のコーナーがあります。ここが非常に充実しています。特に哲学と社会科学関係。平積みされていたのは、「脱資本主義宣言」「アジアの辺境に学ぶ」「女性のいない世界」「市場社会と人間の自由」「東北 知の鉱脈」「カール・ポランニー」「飼い喰い」などなど。なかなかのラインナップです。これらが平積みっていうことは、それだけ売れるっていうこと。名古屋の知識人ご用達なのでしょう、きっと。

 そんな店内を眺めながら、ふと耳に入ってきたお客さんの会話です。子供連れのご夫婦、30代後半くらい。

 妻「これで5千円するのかぁ~」

 夫「ちょっと高いかなぁ」

 妻「でもパパの本はこういうもんだから・・・。いいよ。」

 いいですねぇ~。微笑ましい。パパの本はぶ厚い本で、5千円はするんですよ。たぶん出版社は藤原書店かな、なんて・・・。お金に困ってないのでしょうが、この理解のある奥さん、羨ましいなんて言うとばちが当たるか(笑)。

 つーこんで、こう言う偏向してる本屋さん身近に欲しいですが、諏訪広域で、先に挙げた平積みの半分は手に入るので、図書館で借りて読みましょう。

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おおかみこどもの雨と雪

 はい、この夏の話題作です。でもあんまり入ってないなぁ・・・ってのが感想。もっと子供でいっぱいかなって思ってたので、ちょっと拍子抜け。

 映画は・・・たぶん描きたかったことをそのままやったら、あまりにベタなので、そうだ、狼のコドモだったことにすればいいかも~ という感じでストーリーを作ったのかなと思わせます。というか、私は思いました。

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 「時をかける少女」も「サマーウォーズ」も観ていないので、この監督さん初めてになります。設定は、母親だけで子供(といっても狼と人間のあいの子らしい)を育てる羽目になった主人公が、田舎に移住し、子供たちをのびのび育てるというもの。田舎での暮らしはよく描けていると思うかな・・・。まあアニメだから多少のヌケは許すしかないけれど、「じゃがいもの描写がおかしいだろ」「田舎のおっさん達、どう見てもおまえら 定年退職後の I ターン者にしか見えんだろ、その服装」など、ツッコミどころは満載です。

 でもね、実写もうまくCGで取り込んであって、上市町(富山県)は大喜びじゃない!?大ヒット御礼みたいだし、観光客増えるから。

 お話は、母親だけで育てた子供たちが、いろいろ乗り越えて、親離れしていくという、人間だけで作ってたら、ちょっと退屈なドラマになりそうなもので、狼の子供というところが非常に活きてる、そう言う映画です。

 ただ、やっぱ田舎というものが、都会からのアコガ~レの視線でステロタイプに描かれています。みんな暖かい心の持ち主で、受け入れてくれる、みたいな。このあたりは、仕方ないかなぁ~、夢を持たせるのが映画(一般受けを狙う)だからね~。

 もうひとつ、母親の母性というか、子供を思う気持ちを、なんていうか、こう、息苦しいくらいに、観るものに押し付けてくるんだよね。「母親だから、子供をこれくらい思うのは、当たり前でしょ。エッ、あなたそうじゃないの!?」 こんな雰囲気です。

①あふれるばかりの母性=原発から子供たちを守ろう、それが母親の役割だ

②都会には私たちの生き方をを理解してくれる社会がない=田舎暮らしが私たちをやさしく包み込んで、それを叶えてくれる

 この2つのトレンディな時代状況を、あざとくブレンドした、コマーシャルなフィルム、一言で言うとこんなかんじかな。そう、やはり、大々的に宣伝をして、その資金を回収するタイプの映画なんですよね。日テレと例の豚マークが、なにげにクレジットされてたし。

 でも、作品としての出来はいい。絵もいいし、丁寧に作りこんでいる。話の展開なんか、うまいよ、うまい。荒唐無稽っぽかった「崖の上のなんたら」なんかよりよっぽどいいかな。観といて損はない。みんなとの話題にも、なってるしね。ただ、子供は飽きるよ、上映中あちこちで手やら頭やら動かしてたぞ。田舎暮らし志向の大人向きかな。

もうひとつ、蛇足ですが、子供の耳が可愛い。これは絵的に絶対印象に残る。そうそう、「綿の国星」かな、これって(何を隠そう、私、若い時にしっかり劇場で観ました)

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直売所 その後 そして、これから

 直売所が開店してから1ヶ月。ほとんど宣伝めいたことをやっていないのは、前にも書いたけど、まあ、マレットゴルフ場に貼り紙、御射里の会の会員にチラシ、この程度のことで、始めました。

 で、今どんな具合かというと・・・。なんだかうまくいってるんですねぇ~、これが。最初、農協に規格外で出せないブロッコリーなんかが多かったんだけれど、ここに来て、自家用野菜の余り物みたいのが売れ出して、横のブルーベリーの摘み取り園も順調で、クチコミでだんだんお客さんも増えてきてるんですよ。

 集落の人に頼んで、菊を出した日など(先週ですが)、予約まで入って、全部で2万円超えの売上。金額ではないのだけれど、やっぱり売れると嬉しいかな。

 地元で採れたものだけで作ったピザも好評です。もちろんベーコンとかチーズは買ってくるんだけれど。

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 この日は、トマトとスイカ(上手に作る人がいるんですよ)が人気でした。

 で、これからの予定ですが、秋の収穫祭にむけて、お餅をつく準備として、キビと赤米を作っていますので、そのお世話。秋の野菜の種まきなどなど。なんだか直売って面白い!!ワクワクするんですよね。

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 順調に育つ畑や田は、直売所の周りにあります。久しぶりにいい感じで育ってくれてます。どこも昨年から今年にかけて耕作放棄地を耕作地にした場所です。

 地元のおじさんたちが頑張ってくれてて、売れなかった日など、マレットゴルフ場まで軽トラで持っていって売ってきたりもする。また、集落の物々交換所みたいな側面も見せ始めていて、これから楽しみです。

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もうたくさんだ!!  こんなところまで「郊外化」が・・・

 先日見学した、茨城県のゆうき図書館のとなりの筑西市(旧下館市)の川島地区というところは、私が小学校時代を過ごしたところです。結城から10分くらいなので、ついでにちょっと訪れてみました。

 場所は、茨城県の西の端っこで、結城と下館の中間。まあ、国道50号線は走っていますが、4号線や東北道などの幹線道路や東北線などから離れた田舎です。水戸線というローカル線沿線で、東京まで一本で行けない。もちろん昔はほんとに田舎でした。母親の仕事の関係で茨城から離れられず、父親は東京まで通ってましたが・・・ほとんど帰ってこなかったけど。

 ただ、日本コンクリートという電柱を作っている工場と、日立化成という会社があり、そこに勤める方たちが住んでいます。小学校の同級生の3分の1くらいは関係の会社などに勤める家庭でした。

 で、たぶん30年ぶりくらいの訪問だと思います。

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 この川は、江面用水という用水路です。すっかりコンクリート3面貼りに変わっていますが、子供の頃は、結構怖い川というイメージがありました。そう、仲良し3人組だった男の子のひとりが、3人で遊んだあと、家に帰る途中で、この川にはまって亡くなったりして・・・。たぶん恐怖の記憶なので、あまり残っていませんが、私家版「銀河鉄道の夜」です。

 それで、まさか残ってないだろうと思い、市営住宅の場所に行ってみると、なんと残っていました。その当時のままで。6畳と4畳半の二間で、石炭で沸かす風呂と、ちっちゃな台所がついていたのを覚えています。なんともコミュニティちっくな暮らしで、4軒に一つあった汲み上げ井戸で、まさに井戸端会議があって、時々、家で飼っている鶏なんかそこで潰していたり、そんな暮らしでしたね。

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 暮らしていた家です。当時のまんまです。そのころでさえ、ボロだなぁなんて思っていた、そのまんま。多分冬は寒かったりするんじゃないかなぁ。子供の頃、マジで台風直撃の時には、近所の一軒家の友達の家に、子供だけ避難していましたから。

 そんな思い出にふけりながら、小学校の通学路を歩いていったら、昔の国道の手前に新しいバイパスが出来ていて、そこがお約束の"発展”を遂げていたのでした。

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 国道50号線沿いに、ユニクロ、ヤマダ電機、すき屋などなどいっぱい出来ています。ヤマダの向かい側には、K'sデンキまであって、電気屋戦争までやってます。

 だってさ、筑西市のホームページで見たら、川島地区の人口って9千人だよ。いくら工場があるって言っても、結城にも下館にも10分もあればついてしまうんだよ。もちろん結城にも下館にも、それなりのショッピングセンターもあるし・・・。

  郊外化=グローバリズムとは言わないけれど、とにかく、今まで何もできていなかった場所を見つけると、進出し、地域の経済を破壊して、またよそに移っていく・・・みたいな。

 そうやって、開発、進出できる場所がなくなるまで、そういう競争をやっていくんだよね、きっと。隣町に住んでいる妹に聞いたところ、ここ5年くらいの出来事だそうです。進出できる場所がなくなったら、どうするんだろうね。知ったこっちゃないか。

 そういう富士見にも、「しまむら」、「マツモトキヨシ」などできてきてるよね。西友なんて、いつの間にか「ウォルマート」になっちまったし。

 サパティスタではないけれど、「もう たくさんだ!!」

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ごくごく普通の図書館 小山市立中央図書館

 ゆうき図書館のお隣の小山市。こちら(最初は山梨県のち富士見町)に住んでいました。そこにある小山市立図書館は、ちょうどこちらに移る年に新規オープンしたのでした。当時は、非常に大きな図書館と感じ、また、本もものすごく揃っていた・・・というイメージが今でも残っています。あれから約18年あまり。久しぶりに寄ってみました。

 さすがにこれだけの月日が経っていると、普通の図書館じゃないかぁ~という感じでした。

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 当時は斬新なデザインも今ではごくごく普通です。しかし、何年か前に農業支援する図書館ということで、結構名前が出ていました。

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 加工品を並べて展示してあり、

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 小山市の農業の状況がひと目でわかるテーマ展示も、たぶん常設です。

 全体的に、時間が経過して重厚な雰囲気を醸し出していて、いわゆる図書館になっていました。開館当時のレンタルビデオ屋並みの賑わいも消えていました。ちなみに日曜日におじゃましたのですが・・・。

 ただ、こう言うごくごく普通の図書館でも、いろいろと学ぶところが多いのが図書館の不思議なところ。

 ①雑誌のスポンサー

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 ②議会のビデオの貸出(利用率大変低いそうです)

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 ③図書館の中で、本を開架に戻したり、整理したり、案内したりするボランティアが   

  活躍しています。70名くらい登録しているそうです。

 ④おやま食育かるた なるものが作られていました。

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 こんな感じで、なかなかよい図書館になっています。静かだし。小山市というのは人口20万人強。私が住んでいた時には、14万人くらいでしたから、とんでもなく発展しています。ちょっと、「やだなぁ~」というくらい、変わってしまって・・・。この話は改めて。

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友達を殺してまで  ムサン日記~白い犬~

 なんとも悲しい、それでいて深~~く心に突き刺さる映画でした。韓国の映画です。脱北もテーマの一つではありますが、監督が描きたいことのための一つのツールになっています。韓国の社会の中で、わかりやすいというのが選ばれた理由でしょう。

 お話は、脱北して、ソウルに来た若者(男性)が主人公です。器用でないため、何をやってもうまくいきません。でも一緒に脱北してきたと思われる友人は、いち早く韓国社会に適応してよろしくやっている。別にうらやむわけではないけれども、うまくいかない自分を抱えてクヨクヨしているんです。まあ、北朝鮮の若者がみなこういう風というよりも、彼がそうであると言う感じですね。

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 そんな中で、彼は拾った白い子犬だけが、友達なんですね。そしてかわいがるのですが、まあ、べったりという感じではない。この辺があとでいきてくるんですが・・・。

 シーンの中で、時々脱北者同士で集まって酒盛りかなんかするんですが、このシーンは、彼らが脱北者でなくともいいんですね。たとえば、日本で言えば、東京に出てきた東北出身者・・・みたいな。それでも物語が通用するほど、テーマは普遍的なものでした。この場合、彼らがなじめないのは、西欧的な資本主義ってところでしょうか。もしかするとそれをも超えているかもしれません。

  人間が持っている“業” =群れで生きるということ。そしてその中でうまく立ち回ることが自分の利益を大きくする。この論理の前には、友達でさえも、邪魔になることがあるんですね。 

 この映画を見て感じた事は、資本主義・グローバリズムの本質は性能のよい増幅器=アンプなんじゃないかということです。そして、このアンプは、人間の持っている業を増幅するんじゃないかと・・・そんな風に感じました。

 とってもいい映画、かつ今まで「衝撃的なラスト」とうたった映画の中でも、最も衝撃的なラストでした。

 同じ韓国の「息もできない」(原題は“クソバエ”)も凄かったですが、あれは自業自得っぽいものが漂っていました。まあ、ラストは衝撃的ではありましたが。

 こっちはあれよりもより一層、人間の原罪のようなものに踏み込んでいて、まあ、「お前はどうなんだ」と激しく問いかけてきましたね。

 僕も白い犬はとっくに失っているかもしれません。

 これ、また、月末に松本シネマセレクトで上映されます。ぜひご覧ください。

 ブログのタイトル、「友達を殺してまで」、ロックバンドの“神聖かまってちゃん”のアルバムタイトルですが(あの誰も乗っていないブランコの)、その意味がこの映画を見てわかったような気がしました。

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