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友達を殺してまで  ムサン日記~白い犬~

 なんとも悲しい、それでいて深~~く心に突き刺さる映画でした。韓国の映画です。脱北もテーマの一つではありますが、監督が描きたいことのための一つのツールになっています。韓国の社会の中で、わかりやすいというのが選ばれた理由でしょう。

 お話は、脱北して、ソウルに来た若者(男性)が主人公です。器用でないため、何をやってもうまくいきません。でも一緒に脱北してきたと思われる友人は、いち早く韓国社会に適応してよろしくやっている。別にうらやむわけではないけれども、うまくいかない自分を抱えてクヨクヨしているんです。まあ、北朝鮮の若者がみなこういう風というよりも、彼がそうであると言う感じですね。

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 そんな中で、彼は拾った白い子犬だけが、友達なんですね。そしてかわいがるのですが、まあ、べったりという感じではない。この辺があとでいきてくるんですが・・・。

 シーンの中で、時々脱北者同士で集まって酒盛りかなんかするんですが、このシーンは、彼らが脱北者でなくともいいんですね。たとえば、日本で言えば、東京に出てきた東北出身者・・・みたいな。それでも物語が通用するほど、テーマは普遍的なものでした。この場合、彼らがなじめないのは、西欧的な資本主義ってところでしょうか。もしかするとそれをも超えているかもしれません。

  人間が持っている“業” =群れで生きるということ。そしてその中でうまく立ち回ることが自分の利益を大きくする。この論理の前には、友達でさえも、邪魔になることがあるんですね。 

 この映画を見て感じた事は、資本主義・グローバリズムの本質は性能のよい増幅器=アンプなんじゃないかということです。そして、このアンプは、人間の持っている業を増幅するんじゃないかと・・・そんな風に感じました。

 とってもいい映画、かつ今まで「衝撃的なラスト」とうたった映画の中でも、最も衝撃的なラストでした。

 同じ韓国の「息もできない」(原題は“クソバエ”)も凄かったですが、あれは自業自得っぽいものが漂っていました。まあ、ラストは衝撃的ではありましたが。

 こっちはあれよりもより一層、人間の原罪のようなものに踏み込んでいて、まあ、「お前はどうなんだ」と激しく問いかけてきましたね。

 僕も白い犬はとっくに失っているかもしれません。

 これ、また、月末に松本シネマセレクトで上映されます。ぜひご覧ください。

 ブログのタイトル、「友達を殺してまで」、ロックバンドの“神聖かまってちゃん”のアルバムタイトルですが(あの誰も乗っていないブランコの)、その意味がこの映画を見てわかったような気がしました。

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