« まちミューガイドブック 井戸尻の取材 | トップページ | 法華道の道標  »

選挙の日に・・・ ブックレット2冊

 今日は、衆議院の総選挙。こんな日には、こんなブックレットをと、取り上げてみました。ブックレットは岩波のお家芸になってきています。文庫や新書がたぶん不振なのでしょう。最近、ブックレットに力を入れてるのがわかります。

 まずは、「震災トラウマと復興ストレス」。

 Photo_2

 前半は、震災に実際にあった人たちのトラウマについての考察で、後半が震災時に被災地から離れたところに住んでいた人達のトラウマと、復興に伴うストレスについて考察しています。

 私たちには、特に後半が関係してきます。震災の被害にあっていないものでも、「メディア被災」というものに影響されていて、その場所にいなくても、刺激的な被災地の映像を次から次に見せられるのだから、そういう「ストレスを受ける」状態にもなるのだと思います。

 著者は精神科医なので、その視点からの話が興味深い。例えば、被災者と支援者との恋愛感情であるとか、性交渉にまで踏み込んで考察しています。このあたりは、感情に惑わされない、冷静な分析というものの「凄み」を感じます。

 災害後、人々が助け合いの精神を発揮している「災害ユートピア」と、いろいろな事情でそれを経験できないストレス。支援者の支援を売名行為と呼んでしまう、「偽善者批判」。また、「情報メタボ」という状況も起こってきます。これは、自分の愛好する決まったメディアからだけ情報を得るため、似通った情報源をもった人どおしが集まって議論をし、自分の考えを強化させてしまいがちだという状況のことだそうです。栄養摂取が偏った結果のメタボと同じような状況で、そう言った、人々が情報を得る姿勢が偏ることがおき、それが世論を形作っていくんですね。

 このあたりをきちんと把握しておくことが、今後の日本で、自分の立ち位置を考えていく上で、重要なキーポイントになると思います。

 もうひとつは「主権者は誰か」というブックレットです。

Photo_4 

 原発事故の情報隠しに端を発し、日本における国民の主権が侵されている現状を丁寧に暴いてくれている労作です。

 どういうふうに侵されているのか?

 著者は、主権は官僚が持っているのだと、断定しています。そしてそれを克服するためには、オンブズマン制度の充実がひとつの解決策になるとしています。また、判検交流(裁判所の判事と、検察庁の検事が人事上交流するという)という裁判の公正に反するとんでもない制度や、司法の政治的中立が保証されていないという、三権分立がまさに建前の制度であることも、示しています。

 そして、たのみの綱である選挙でさえも、選挙制度や一票の格差、多額の供託金制度によって、充分であるとは言えない状況なんですね。

 こういった矛盾点を示した上で、国民投票であるとか、デモによる直接行動を、自由にできるように保証することで、改良の方向性が見えてくると言っています。国民が主権者として振る舞えないようにする制度で満ちている、日本という国で、どうしたら主権者の地位を取り戻せるのかという、大きな課題を考えるきっかけを投じてくれる、とてもいい小冊子です。

 ところで、今日は投票に行きましたか(笑)!?

|
|

« まちミューガイドブック 井戸尻の取材 | トップページ | 法華道の道標  »

今週の本棚」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/397928/48331187

この記事へのトラックバック一覧です: 選挙の日に・・・ ブックレット2冊:

« まちミューガイドブック 井戸尻の取材 | トップページ | 法華道の道標  »