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時間が経ってしみてくる 「パーマネント野ばら」

 昨年暮れに観に行った映画「桐島~」、同じ監督だとかで、2本立てのようになっていたので、こちらも観てきました。「桐島~」のインパクトが強かったので、心に残らないかなと思っていたのですが、時間が経つにつれて、なんだかじわじわとしみてきたんですね。

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 主演は、菅野美穂。脇を小池栄子、宮脇千鶴、そんでお父さんやお母さんの役で、宇崎竜童、夏木マリとなかなか個性派ぞろい。

 この映画、原作は西原のちょっと不思議なギャグ漫画なので、どんな仕上がりになってるのかなと結構興味をもって見たわけです。で、結果、漫画を読んだとき、なんだかわからなかった登場人物が、どういうことだったのかと、はっきりして、漫画と映画で補完し合ってる感じ・・・かな。

 お話は、海辺の田舎町で、パーマ屋を営んでいる母親のところに出戻ってきている主人公(菅野美穂)が、お客さんのあけっぴろげなおばちゃんたちの中で、けなげに生きているっていうような感じです。

 まあ、最初は掃き溜めに鶴というような雰囲気で描かれます。で、菅野美穂っていう女優さん、なんだかうまいんですよ。そのけなげなかんじや、なんとなく悲しみを背負っているような感じが。セリフや説明的な描写は少なんですが、それをじわじわっと演技力で表しちゃってるというか、いや~、ちょっとやられました。

 で、恋人として出てくるのが、江口洋介です。最初からなんとな~く、「あれっ、これって・・・」と、匂わすような感じやシーンがあって、なんだか不思議な存在なんです。そう最後にはっきりするのですが、主人公の心の中にいる、思い出の中にいる、そういう恋人なんです。ここで、原作でなんだかわからなかった場面が、そういうことかと納得できたんですね。

 で、そんな叙情的な場面と、西原特有のお下品なギャグが、映画の中で対比的に、ちょっと対立した形で描かれていきます。「チンコ」という言葉が連発されたり、港で漁師に主人公がからかわれる、「新しい男何人くわえ込んどる」みたいな。

 この辺がウ~~ンと思うところなんですが、ラストシーン近くのある場面で、「な~るほど」そういうことだったんだと、落ちる場面があるんですね。

 主人公の恋人絡みで、大きなどんでん返しがあるのですが、それよりも、この「な~るほど」と思うどんでん返しの方が、私にとっては、大きく心に残りました。

 口の悪いおばちゃんたちの中で、それを和らげる一服の清涼剤のような、主人公の存在が、実は、そのおばちゃんたちに、逆にやさしく包まれていた事がわかるんですね。それも、短い一言のせりふと、ほんの数秒のシーンで。ここはなかなか見ごたえがありました。監督本当にうまいようまい。

 最後まで見終わると、恋愛のひとつの形を昇華させる純文学になっていますし、もう涙ちょちょ切れる名作なわけですよ。この映画、傑作です。

 そして、この映画、いわゆる「地方の疲弊」映画でもあるんですね。この海辺の町もどうしようもない。映画の中で、「出来のいいやつはみんな出て行ってしもうて、残っているのはカスばかりやき」なんてセリフもでてきます。

 それはさておき、菅野美穂の演技、はかない感じの存在感はものすごいです。一気にファンになっちゃいましたね。悲しいまでのそれを味わってみてください。小池栄子もなかなか。博幸な女性やあばずれっぽいのをやらせたらピカイチですね。

 ちょっと前の映画ですので、DVD出てますから。

 

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