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2013年6月

小学校でヒツジの毛刈り!?

 ちょっと前の話で恐縮しますが、書いてなかったので・・・。

 以前、岡谷の小学校が、ヒツジの毛刈りの見学にきたことを書きました。その小学校で飼っているヒツジの毛刈りがあるということで、一応、指導という立場で招かれたので、行ってきました。

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 今回、毛を刈るのはこんな子です。刈りがいがありそうな子です。

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 まあ、6年生のあるクラスが飼っているのですが、休み時間から開始ということで、会場(?)の渡り廊下は、大混雑。なんか、父兄まで呼んであったらしく、さらに大混雑。みんなでワイワイガヤガヤとてんで勝手に始まっちゃいました。

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 最初どうなるかと思ったのですが、終わってみると、五分刈り(笑)ながら、なんとか“毛を刈りました”と見える仕上がり。途中、10円ハゲ状態になんかもなっていましたが、無事終了。元気な「ありがとうございました」に送られて、小学校をあとにしました。

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今世紀最高の・・・に似つかわしいとほんとに思った 「2666」

 これは、もしかして怖いかもしれない。なんてったって、分厚いのだ。2段組みで900ページ近い、持って歩くのも憂鬱な本だ。

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 お話は、謎の作家、アルチンボルディをめぐる物語だ。この作家、どこかに行方不明状態なのだが、その作家の研究者の男女三人の三角関係からスタートする。これだけでもなかなかいい小説なのだけれど、第2部はそこに出てくる批評家の物語になり、第3部はアメリカ人記者のメキシコ訪問記、そしてお次は、メキシコでの連続殺人事件、そのあと、次第にアルチンボルディという作家がなにものであるかが、明らかになり、それまでのこれらの物語が、織物のように一つに織り上げられていくのだ。

 物語の錯綜具合は、もうとんでもないレベル。特に、連続殺人の描写は、この作家の殺人フェチ具合がよく出ている。まるで、何人死ねば気が済むのだろう状態で、ルーチンワークのように殺人事件が起こり、警察は適当に犯人を決め付けていく。いくつもある伏線はつながっていき、ラストの思いがけない顛末へと、読者を連れて行く。

 そしての壮大な物語の中に、戦争というのに弄ばされた若者の悪夢と、どこまでも続く苦悩を描き切っている。この描写は今まで読んだどの反戦小説、戦争の描写のある小説のどれをも凌駕している。すごいよ。

 もうひとつ、そのアルチンボルディがなぜ作家になるに至ったか。あこがれの作家がいて、それを追っていて・・・このあたり、架空の作家が架空の作家を求めて追っていく。アルチンボルディの存在自体が架空なので、架空の入れ子構造になっているのだ。もうここら辺は、スタニラフ・レムの「完全なる真空」といい勝負だ。あれは結構読むのにしんどかったが、これはそこが面白く、作家の力量たるやすごいんでないかと思う。それも、実際の社会状況に沿って、架空っているので、まあ、エミール・クリトリッツァの「アンダーグラウンド」のチトーが出てくるシーンのような感じだ。茶番になるところをギリギリ、パロディーの要素を含んだ架空の状況へと変換できてる感じ。それでいて結構真面目でそれらしく、面白い。

 これだけの本を読めば、征服感まで出てくるから不思議だ。作者の構成力というか、構成に当たっての、粘り強さはなんなんだ。これだけの大作を構成し、全体にテーマを織り込んでみせる芸当ってなんなんだろう。まさに真の作家と呼ぶにふさわしい。ロベルト・ボラーニョ・・・覚えておこう。

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「愛について ある土曜日の面会室」 

 これ、非常に良く出来てます。僕らがフランス映画に抱いていた、おしゃれで、それでいてどうでもいいようなことを、延々と、洒落た言い回しで表現していき、根底には哲学的な意味が込められていて実は難解・・・みたいなイメージは、このところ変質をとげてきています。昨今とみに感じます。

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 この映画も、その昨今のフランス映画だと思います。舞台はマルセイユ。冒頭に、ある女性が泣き叫んでいる場面が出てきます。なんとなく、ですが、刑務所の面会に並んでいる人達の列であることが匂わされます。で、この女性が主人公なんだな・・・と思ってみていると、これが違うんですね・・・。その女性をわき目で見ながら、通り過ぎていく「通行人」の中に主人公3人(3つのストーリーが並行して進んでいきます)が紛れてんですね。正確には登場人物4人なのですが。

 そう、全体が、伏線のような映画なんです。そしてその伏線が、ある土曜日の面会室に向かって収束していくんです。それで、最後の描写で、冒頭の泣き叫んでいた女性が「通行人」であることが明らかになるんです。カメラの目線も、下から目線が、上から目線に変わっていて、思わずうならされました。

 そして、底流に流れるのは、やはり移民、若者の失業、ゲイへの差別、犯罪組織(のような存在)、旧植民地(アルジェリア)との関係・・・そういった闇なんですね。フランス映画はこの闇にはまって出られなくなってるのかしらん・・・そんな風にも思いました。前よりもずっと直截的に取り上げているような・・・そんな風にも感じました。

 とってもよかった。お勧めです。

 

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いよいよ富士見町内のガイドブックが・・・

 岡谷、諏訪神宮寺と完成させてきた、信州わくわくガイドブックシリーズ、第3弾、第4弾の2冊同時にマスコミ発表させていただきました。第3弾は「花の百名山、入笠山にいにしえの信仰の道を訪ねる」、第4弾は「ここに来れば縄文にあえる(井戸尻遺跡周辺散策ガイドブック)」です。

Gaidobukkku

 まあ、売れるとは思っていましたが・・・。予想外の反響、売れ行きに、正直びっくりしています。特に、入笠のほうは、伊那側の法華道を切り開いた北原さんが、既に60冊程度売ってしまいました。残り40冊も来週なくなる予定とか。また、書店でもとい合わせが随分行っているらしく、初回に控えめに納品したところは、追加注文が来ています。

 今まで、だいたいが、思惑通りに動いてきましたが、今回は思惑を超える反響に、やってよかったと・・・・満足しています。まあ、ここまでこぎつけるのは並大抵ではないのですが・・・。時間もこのガイドブックに、山梨で出会ってから、2年半。短いといえばそうも言えますが、よくコツコツと粘ったと思います。

 まだまだこれからですが、とりあえず、感慨無量ですね。

 元記事はここ↓

http://kamaneko.cocolog-nifty.com/blog/2011/02/post-ed05.html

 

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TOTOどんぐりの森事業始まる

 以前よりお世話になっているTOTO(トイレの)さんが、私たちの仲間の、みさ山マレットゴルフ場と共同で、どんぐりの森事業を始めることになりました。その発足式(植樹)が先日行われ、TOTO甲信越販売の方たちが30名ほど、地元の関係者が40名ほどで、賑やかに植樹を実施しました。

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 結構シカ害があるということで、全体をネットで囲んであります。

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 植樹はみんなでわいわい。お子さん連れの方もおられました。

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 労働のあとは、バーベキューということで、こっちもみんなでわいわい。

 さてどんぐりの苗が育ったら、どんな森になるのでしょうか。楽しみですね。

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マンクスがいた!! 岐阜の宮本牧場

 先日、岐阜にボーダーコリーの面会に行ったことを書きましたが、その近くに、以前、緬羊研究会でご一緒した、宮本さんの牧場があったのです。事前に知りまして、お邪魔しました。

 連絡をしなかったため、ヒツジたちを見てきただけですが・・・。いましたいました。

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 ほ~~っ!!マンクスかぁ!! このヒツジは、マンクスロフタンといって、稀少な種類です。イギリスのマン島が原産で、毛質がいいので有名。また独特な角も生えています。

 こんな子もいました。なんの種類なのだろう?? マンクスのおこちゃまかな??

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 宮本さんの牧場は、うちと同じように耕作放棄地に広がっています。傾斜がきつい地域のようで、結構厳しそうです。

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 という感じで、地元の方の話によると、もともと地元の愛好家が飼っていたものを、設備ごと譲ってもらったとか。なかなかあいいなあl、そういうの。

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「眺めのいい部屋」 こういうのもたまにはいい

 いや~~、この映画、また見れるなんて思わなかったです。もちろん、塩尻の東座であります。「8月の鯨」といい、この映画といい、往年のいい映画がリバイバル上映されるのは非常にいいことです。このあと「アナザーカントリー」も控えています。「バベットの晩餐会」なんかもリバイバルしてほしい。
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 物語は単純で、伏線なんてものも、ほとんどありません。イギリス中流階級のお嬢さんが、イタリアの開放的な空気の中で、自由に目覚めていくという、単純なストーリー。ほぼ決まっていた許婚をポイして、自由奔放に生きている、ちょっと階級の下(労働者階級)の、魅力的な男性と恋に落ちるというもの。

 が、どっこい、このお約束っぽいストーリーを、役者陣でそこは濃厚な出来に持ってきています。監督はこの手の文芸路線やらせたらピカイチのジェームズ・アイヴォリーですから、もういうことないです。若き日の、ダニエル・デイ・ルイス、ジュリアン・サンズ。ふくっれつらを見せてくれる、ヘレナ・ボナム・カーターなんてかわいいったらありゃしないよ、まったく。そんな役者陣の青っぽい演技を観るだけでも価値があるってことですね。
 

 とにかく、少女まんがチックな内容なんだけど、こういう単純な筋の映画も・・・というより単純でわかりやすいから後世に残るんじゃないのかな・・・そんな風に思いました。
 ラストシーンはあまりにも有名なんだけど、フィレンチェの円屋根の寺院がよく見える、文字通り、眺めのいい部屋で熱烈なキスシーンで・・・いいねぇ、若いって。

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古きをたずねて新しきに・・・ 「あさま山荘1972」(上・下・続)を読んで

 永田洋子。誰それ?ヒット曲あるの?50代以下の世代だときっとこんな感じなのだろうなぁ。今日は古きを訪ねて、こんな本を選んでみた。大衆の「運動」の原点とも言える60年安保、70年安保のあたりに焦点を当ててみたいと思い立ったわけ。運動って言っても、スポーツじゃないほう。

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 さて、時代は、1970年代。学生運動真っ盛りのころのお話。連合赤軍事件の中心にいた坂口弘の回想録のような本だ。あさま山荘なんていっても、50代以下には皆目わからないと思う。まあ、学生運動が煮詰まって、リンチ大量殺人をしてしまったあれのことだ。で、読んでみると、なかなか面白いんだよね。あれだけ大騒ぎした事件なのだけれど、殲滅戦(わあ懐かしい言葉)はほんの2~30人くらいのグループで、やっていた。

 それでも、初期には、民衆の支持を得られないままの、ボリビアでのゲバラのような無茶な蜂起みたいな感じで始まっているわけで、次第に煮詰まっていく人間関係の中で、仲間同士で殺しあっていくのだよ。読んでいると、とにかく何でこんなふうになるの?というくらいの異常な世界なのだけれど、たぶん、その中にいるとわからないんだろうね。

 新左翼用語がバンバン出てくるし、理論とか革命とか共産主義化とかに翻弄されていた彼らの青春が、あまりにも痛々しいかな。

 ただ、本気でそう思ったのだけれど、人間の本質はこういった極限状況になった時に、というより、極限状況だからこそ、出てくるわけで、あるグループの中で、仲間はずれにならないために、自分の心の中にある、優しさとかいたわりなんてものは、簡単に捨てられるんだよね。それほど、人間が生きていく上で、仲間はずれっていうのは、怖いわけで、そこにとらわれている限り、こういった小さなグループでの、リンチ殺人なんてのは容易に起こってしまうわけだよね。

 今、あちこちで(当地でもあったみたいだけれど)騒がれている、子供の学校でのいじめなんてのも、ここに端を発しているわけで、ここをなんとかしないと、ほかでいろいろやっても、きっとまた起きると思う。しかしね、ここを何とかするっていうのは、ロボトミーの力でも借りないとできないわけで、たぶん人類にとって必要悪だったりするんだよ。

 あ~切ないことだ。

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カモシカ 現わる!!

 昨日のことです。ヒツジの牧草の刈る季節なので、その作業をして帰る帰り道。あとちょっとで家に着くというところで、道路沿いに設置されている電気柵の向こうになにやら動くものが・・・。また昼間っからシカかぁ・・・と、カブ号から降りると、なんとカモシカだったんです。

 野良帰りなので、カメラなど持っていなかった訳で、画像がないんですが。

 まあ、びっくりしました。国道20号の富士見峠の落合側に住み着いているカモシカは、よく見たことがあるのですが、まあ地理的な条件、間にいろいろあることを考えると、たぶん別の個体です。それに、富士見峠のカモシカは割と年をとっているふうですが、こちらは若い個体です。

 カモシカはシカのように、びっくりして、飛び跳ねて逃げるという行動はとりません。割と落ち着いて、ゆっくり遠ざかるという感じです。ちょっと離れると、そこからじっとこちらを見つめたりするんですね。山などで何回か遭遇しているので、そのへんはわかっていました。

 しばらく、遠ざかるのを見ていましたが、家に取って返し、カメラをとってきた時には、もう映らないほど遠くに行っていました。

 まあ、見た場所は御射山神戸の入笠山側の山付きなので、いるちゃあいるんだけれどもね。家から50mも離れていないのでびっくりでした。

 

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犬を引き取る活動をしている人たち

 私のところでは、つい最近までボーダーコリーという種類の犬を飼っていました。まだ12才だったのですが、ガン(なんと前立腺がんから膀胱、大腸に転移:人間並みです)でこの冬に死んでしまいました。

 で、山の中でもあり、番犬としてかなり有能だったので、いなくなると物騒ということで、新しい子を入れようかといろいろ調べていましたら、保健所などが保護した犬を、紹介してくれる、そう言う活動をしているところを知りました。その上、いろんな種類というわけではなく、ボーダーコリーだけ扱っているというのです。

 まあ、保護された理由が、吠えであったり、噛みぐせであったり、ブリーダーの崩壊(倒産のことですねきっと)による放置であったり、様々なのですが、そういう犬を引き取ることも、意味があるかなと、連絡をとって、先日岐阜の山の中まで見に行ってきました。

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 久しぶりに、ボーダーのハッチャケぶりに、しばし感激、一緒に遊んできたのでした。

 この団体、ボーダーコリー・レスキューネットワークというのですが、全国に預かりの拠点のような会員さんがいて、いろいろ問題を抱えている引き取ったばかりのボーダーを、ある程度、家庭で飼えるところまでしつけて、里親さんを探すという活動をしています。まあ、ほとんどがトラウマを抱えている犬だし、ボーダーは臆病で神経質。もともと噛みぐせを持ちやすい犬種であることもあり、躾はなかなか大変なようです。引取りには、一定の金額が必要になるとか(去勢や避妊の費用=定額)。

 この日は、室内飼い(観察と躾という意味で、室内飼いが望ましいという条件の子が多い)でないと・・・というワンちゃんたちばかりで、里親にはならなかったのですが、このあともコンタクトをとっていくつもりです。いい出会いがあるかなぁ・・・。

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ひつじの毛刈り

 5月に予定していたヒツジの毛刈りイベントは、雨で中止になりましたが、毛刈りをやらないわけではないので、ちょっとずつやっていました。

 今回は、ちょっとした縁で、岡谷の神明小学校の方々が見学にやってきました。

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 そう、40人乗りバスで、です。ちょうど、諏訪養護学校と、富士見の森の幼稚園の子どもたちも来るということで、大変賑やかな一日になりました。

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 まず、小学校用に“半身”、養護学校用に“半身”、そんな毛刈りになりました。

 神明小学校では、実際にヒツジ(コリデール)を飼っているということで、今年手刈りをするそうです。そのため、結構熱心に、質問とかも出ていました。

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 養護学校のほうは、体験ということで、ワイワイガヤガヤ。

 森の幼稚園は、ふれあい重視で、仔ひつじたちと楽しんでいたようです。

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 三者三様の楽しみ方。なんだかこっちも、楽しかったです。

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チャンネルブックス

 前にここでとりあげた、岡谷の古本市に、唯一新刊本の本屋さんが出店していました。それが「チャンネルブックス」です。私もサブカル雑誌、「スペクテイター」を買わせていただきましたが、長野の南県のあたりにお店があるようで、長野にいったついでに寄らせていただきました。

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 南県ということで、テナントビルに入っているモダンなおしゃれなお店かな・・・と思いきや。おしゃれはおしゃれだったのですが、こんな「善光寺門前町」にありそうなお店でした。南県にもこんな通りがあったのか?と感心しきり。

 中は撮影してきませんでしたが、非常に偏った(笑)本がズラリ。昨今の若い方は、「アート系」といった感じを受けているのですが、まさにその王道を行く品揃えでした。なんかフリーペーパーや、イベントのフライヤーのようなものも、溢れている感じ。こんなお店が、増えてきてるんでしょうね。駅から歩いて10分くらいかな。この佇まいは貴重です。

 で、なぜ、こんなに訪ねるほど気になったのかと言うと、このフリーペーパーを出しているからなんですね。

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 その名も「チャンネル」というのですが、これも、岡谷の古本市で並んでいたので、ゲットしたものです。素人目から見ても、よ~~く取材しているのがわかる力作。こりゃすごいと、お店にいってみたくなったのでした。特にこの奇祭という特集は、長野県民なら、永久保存版ですね。

 いつもは20時くらいまで開けているそうですが、その日はなんだか集まりか何かあるらしく、19時で閉店とかで、10分前に入った感じで、慌ただしくざっと見てきただけになってしまいました。一緒に行った友人が、「やっぱこういうことやる人って、こう顔つきが違うよね。すごく格好いい感じ・・・」と言ってました。僕らから見れば、ほんと今の若い人、経済的に見たらまあ悲惨な時代だけど、やりたいことをやるというところでは、羨ましい限りですね。既存のレールはみんなぐにゃぐにゃで、昔はそれに乗れば一生安心ってみたいな電車は、ほとんど脱線状態ですからね。そうせざるを得ないんでしょうけど・・・。

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この静謐さが好きなんだなぁ~「ある海辺の詩人」

 小品だが、とても力の有る作品だった。テーマは、移民にゆれるイタリア

社会での、移民の身の処し方を中心にユーゴスラビアからの移民の初老の男と(もちろんただの移民ではないだろう・・・難民かもしれない)、中国から出稼ぎにきている(怪しいブローカーの紹介のように描かれる)若い母親の心のふれあいだ。

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 まあ、ちょっと驚いたのだけれど、イタリアでも、このような田舎(ベニスの近くの港町)では、男女の関係がうわさになり、結構中傷の的になっているのだ。へ~~そうなのかと思った次第で、ここは海外事情に疎い私のせいなのだけれど、そうなんですね。

 まあ、物語は、いろいろと複雑な状況を織り込みながら進むので、わかりづらくはあるのだけれど、小さな港町の風情と、その沖合いから眺める、海から見たヨーロッパアルプス・・・これがとてもいいんだよね、まるで富山湾から見る、立山連峰のようでね・・・景色で人の思いを表してるようなそんな風景描写なんですね。

 複雑な状況というのは、中国から出稼ぎ者を送り込む、中国マフィアっぽい人たち。民族差別は無いようでいて、結構有る漁師仲間たち。ちょろっと出てくる中国の国内事情。遠まわしだけれど、老人介護の問題。そういったことが混沌と混ぜ合わさって、このイタリアの田舎町はできてるんですね。もちろん、中国の出稼ぎ者というのは、地元にとっては脅威でもあるわけで、その辺も描かれます。

 そんな中、この二人の心のふれあいが、一点の絵画のように、心に染みてくるのです。中国の詩人屈原の詩と、灯篭流しのような風習、それを異国の地でやることの悲しみを感じさせる。そしてお互いの」幼いころの思い出が、なんとなくクロスして、新密度が増していく。もちろん恋愛というよりは、友情のほうが近いのだが、そのあたりは、わざと曖昧にさせてある。

 見終わったあと、なんとなくもやもやと、それでいてさわやかな、非常にその人の感受性を試してくるような、そんな映画だった。もちろん、ヨーロッパ映画らしく、静謐にあふれている。

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