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この静謐さが好きなんだなぁ~「ある海辺の詩人」

 小品だが、とても力の有る作品だった。テーマは、移民にゆれるイタリア

社会での、移民の身の処し方を中心にユーゴスラビアからの移民の初老の男と(もちろんただの移民ではないだろう・・・難民かもしれない)、中国から出稼ぎにきている(怪しいブローカーの紹介のように描かれる)若い母親の心のふれあいだ。

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 まあ、ちょっと驚いたのだけれど、イタリアでも、このような田舎(ベニスの近くの港町)では、男女の関係がうわさになり、結構中傷の的になっているのだ。へ~~そうなのかと思った次第で、ここは海外事情に疎い私のせいなのだけれど、そうなんですね。

 まあ、物語は、いろいろと複雑な状況を織り込みながら進むので、わかりづらくはあるのだけれど、小さな港町の風情と、その沖合いから眺める、海から見たヨーロッパアルプス・・・これがとてもいいんだよね、まるで富山湾から見る、立山連峰のようでね・・・景色で人の思いを表してるようなそんな風景描写なんですね。

 複雑な状況というのは、中国から出稼ぎ者を送り込む、中国マフィアっぽい人たち。民族差別は無いようでいて、結構有る漁師仲間たち。ちょろっと出てくる中国の国内事情。遠まわしだけれど、老人介護の問題。そういったことが混沌と混ぜ合わさって、このイタリアの田舎町はできてるんですね。もちろん、中国の出稼ぎ者というのは、地元にとっては脅威でもあるわけで、その辺も描かれます。

 そんな中、この二人の心のふれあいが、一点の絵画のように、心に染みてくるのです。中国の詩人屈原の詩と、灯篭流しのような風習、それを異国の地でやることの悲しみを感じさせる。そしてお互いの」幼いころの思い出が、なんとなくクロスして、新密度が増していく。もちろん恋愛というよりは、友情のほうが近いのだが、そのあたりは、わざと曖昧にさせてある。

 見終わったあと、なんとなくもやもやと、それでいてさわやかな、非常にその人の感受性を試してくるような、そんな映画だった。もちろん、ヨーロッパ映画らしく、静謐にあふれている。

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