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古きをたずねて新しきに・・・ 「あさま山荘1972」(上・下・続)を読んで

 永田洋子。誰それ?ヒット曲あるの?50代以下の世代だときっとこんな感じなのだろうなぁ。今日は古きを訪ねて、こんな本を選んでみた。大衆の「運動」の原点とも言える60年安保、70年安保のあたりに焦点を当ててみたいと思い立ったわけ。運動って言っても、スポーツじゃないほう。

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 さて、時代は、1970年代。学生運動真っ盛りのころのお話。連合赤軍事件の中心にいた坂口弘の回想録のような本だ。あさま山荘なんていっても、50代以下には皆目わからないと思う。まあ、学生運動が煮詰まって、リンチ大量殺人をしてしまったあれのことだ。で、読んでみると、なかなか面白いんだよね。あれだけ大騒ぎした事件なのだけれど、殲滅戦(わあ懐かしい言葉)はほんの2~30人くらいのグループで、やっていた。

 それでも、初期には、民衆の支持を得られないままの、ボリビアでのゲバラのような無茶な蜂起みたいな感じで始まっているわけで、次第に煮詰まっていく人間関係の中で、仲間同士で殺しあっていくのだよ。読んでいると、とにかく何でこんなふうになるの?というくらいの異常な世界なのだけれど、たぶん、その中にいるとわからないんだろうね。

 新左翼用語がバンバン出てくるし、理論とか革命とか共産主義化とかに翻弄されていた彼らの青春が、あまりにも痛々しいかな。

 ただ、本気でそう思ったのだけれど、人間の本質はこういった極限状況になった時に、というより、極限状況だからこそ、出てくるわけで、あるグループの中で、仲間はずれにならないために、自分の心の中にある、優しさとかいたわりなんてものは、簡単に捨てられるんだよね。それほど、人間が生きていく上で、仲間はずれっていうのは、怖いわけで、そこにとらわれている限り、こういった小さなグループでの、リンチ殺人なんてのは容易に起こってしまうわけだよね。

 今、あちこちで(当地でもあったみたいだけれど)騒がれている、子供の学校でのいじめなんてのも、ここに端を発しているわけで、ここをなんとかしないと、ほかでいろいろやっても、きっとまた起きると思う。しかしね、ここを何とかするっていうのは、ロボトミーの力でも借りないとできないわけで、たぶん人類にとって必要悪だったりするんだよ。

 あ~切ないことだ。

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