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「物語 朝鮮王朝の滅亡」 隣国の歴史を知るということ

 朝鮮王朝の歴史なんて、ほとんどの日本人には、興味の対象外って言うのが、正直なところじゃないだろうか。歴史専攻の大学教授なんかが書いたものは、初級むけであっても、とっつきにくい。でも、この本は小説家、それも日本在住の・・・とくれば、読みやすいんじゃないかと思って、手にとってみた。

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 で、期待通りだった。
 近代朝鮮が、なぜ、日本に遅れをとってしまい、最終的に植民地になどになってしまったのか。そういうことが一発でわかる。また、こういうことも、日本人としては知っておかねばならないこと。王宮に乱入し、閔妃暗殺するくだりだ。これはひどすぎる。確かに閔妃という王妃は権力を我がものにした悪い方ではあるのだけれど、こんなことをしたのだから、韓国・朝鮮の人たちは、日本を許すなんて事は出来ないわけだ。その辺もよく理解できる。歴史認識の違いと言うのは、こういうことなのだ。

 また、もうひとつ収穫だったのは、閭田制のことだ。田を耕す者が農地を所有し、自ら耕さない者は、農地を所有できないようにするという制度だ。この制度は、実現されなかったのだが、丁和ようという官僚(というより思想家だろう)が提言したもので、仕組みはまったく原始共産制に近い、共産主義だ。このことに驚いた。まあ、こういうことがきっかけで、朝鮮王朝は、超保守へとゆり戻しがかかるのだが、すばらしいとしか言いようがない。
 また、同時代の日本においても、西郷隆盛のようなまっとうな考えの者が排斥され、世界の趨勢は「早い者勝ち」「やったもん勝ち」を提唱する福沢諭吉的な人物の考えが、ちやほやされがちだったのだ。
 なんにしろ、話題になったとかで読むと、読んでがっかりという新書が多い中、この本はおすすめ!!です。

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