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映画「立候補」 こっちはブラック風味の選挙映画

 いやあ、観終わったら、なんともいえない後味の悪さで、まいりました。

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 映画は、大阪府知事、大阪市長のダブル選挙となったあの時のことを描いたもの。あの時は、実質的な争いは、主要な3人で、残りのいわゆる泡沫候補といわれる人たちの選挙活動を緻密に追っていきます。なかでも、「台風の目」とでも言っていい、マック赤坂、それと、立候補するといわれていた青森の羽柴秀吉の2名にスポットライトを当て、残りの泡沫候補3人についても、それなりに話を聞いています。

 で、羽柴は病気療養ということで立候補せず、話は自然にマック赤坂の戦いに集約されていきます。まあ、なぜ、彼らは立候補するのか…というのが、主要なテーマだと誰しも思うはずなのですが、その答えは容易には出てこないのです。そのあたりがじれったい。
 間にはさまる、あの外山恒一の、まじめなインタビューも、非常にいいタイミングで挿入されています。候補者も消費されているというのは、有る意味非常に正しい認識ですね。外山さん、鋭いです。

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 で、いきおい、マック赤坂の選挙運動ばかり追う形になるのですが、まあ、これがポリシーがあるんだか、ないんだか、わからないような代物なんですよ。それでも本人は、この腐った選挙制度に楔を打ち込もうとしているのは確かなことで、彼なりに一生懸命やるわけです。半分やけくそのようなものなんですが、彼はまじめなんですね。
 で、選挙終盤、橋下さんや○○さんの演説に絡むんですが、まったく歯が立たない。そのうえ、相手にさえしてくれないような感じです。

 で、結局この映画が言いたいことは、負けることがわかっているのに戦う男なんですね。今風に言えば、「痛い」存在なわけで、まともに見てはいられない感じです。

 後味の悪さはこれからです。この、本命3人という強い相手には、何をやっても、まったく相手にされていない。まるで、人間ではないくらいの扱い。それで、お約束のように敗北します。この姿、僕たちなんだよね。選挙のときは、それでも、1票として扱ってくれますが、当選してしまえば、まあ、知らん顔なんですね。泡沫候補も選挙が終われば、まったくいないかのように扱われるわけです。
 泡沫候補って、おかしなお笑い系候補者だね、なんて笑ってみてる私たちが、まったく同じ存在であるわけです。それは鏡を見ているようなものなんですね。自分たちが馬鹿な有権者であるから、選挙の時期だけちやほやされても、あとは相手にされていないことに気づいていない。その辺の現実を突きつけてくるんです。いや~後味悪いし、何とかしなきゃと思いますね。こりゃすごい露悪的映画だね?!

 まあ、彼らの立候補というのは、現在の社会制度に対する徹底的な異議申し立てなわけです。なので、市町村議会議員だとか区議会議員だとか、うまくやれば受かりそうな中途半端な立候補はしないわけで、絶対勝てないだろうという選挙に出るわけなんですね。ここらがポイントです。その革命性はそういうところで担保されるわけなんです。振り返って、周りを見てみれば、革新のような顔をしてたのに・・・、SNSで内幕をなんでもさらけ出してくれるようなアナーキーな革新性を持っていたのに・・・、知らず知らずのうちに取り込まれて、長いものにまかれちゃってる議員さん、よくいますからね。そういう輩とははっきりと線を引いてくれる、革命的な立候補者なんですね、彼ら泡沫候補というのは。久しぶりに目からウロコでした。

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 重要な脇役である、外山恒一。彼の発言で 「選挙じゃ何も変わらないんだよ」というのがあります。YouTubeなどでも、「選挙ではちょっと左寄り、ちょっと右寄りというところまでは行くが、そこで終わり。今の日本に必要なのは、極端な右か、極端な左の政策。そうしないと世の中はよくならない。最近の状況は、よく明治維新と比較されているが、明治維新の政権交代は選挙で起きたわけじゃない。維新の会などはそこで重大な勘違いをおかしている」などと発言しています。

 また、「選挙をはじめとする民主主義の仕組みは、権力者によって考えられた、革命を防ぐための制度」というのもあたってますねぇ。選挙で清き一票を投じれば、自分の意思が政治に反映され、自分の考える良い世の中が実現するなんていう幻想を市民に抱かせる、それが民主主義なんです。そして権力者は安定した「政権」というものの中でヌクヌクと・・・極端に言えばですが・・・・至福(私腹?)の時間を過ごすことができるわけです。じゃあ、どうすりゃいいのか。僕らが考えて、結論が出ることなのかどうかもわかりません。。

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