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2014年4月

「さよなら、 アドルフ」もう一つのホロコースト

 ホロコーストの後遺症を、ナチスの側の家族から見た・・・と言うことで話題の映画です。主人公は多感な思春期の少女。戦後直前のドイツ。ナチスの幹部の家庭に総統自殺のニュースが飛び込み、最終勝利(まあ、日本でいう八紘一宇であるとか、大東亜とかそういったところ)がなくなったことが知らされます。父親はもちろん母親も出頭し、少女は幼い弟妹たちを連れて、ドイツ北部の祖母のところまで逃げると言うことになります。もちろん戦後の混乱はすぐに始まるわけですが、ナチス幹部の家族と言うのは、決定的に危ない属性であるわけです。基本的に、見つかればとりあえず捕まるような・・・。

 

 で、逃避行の間に、連合国側(占領軍ですね)に不審に思われ捕まりそうになり、たまたま通りかかった移動中のユダヤ人の若者に助けられます。まあ、彼も何らかの理由でユダヤ人に成りすましているのが後々わかるのですが、とりあえずは命の恩人になります。彼のほうでも、子供(幼い弟妹)といることで食料をもらえたり利点があるわけで、こうなんていうか、美談で語るという映画ではなくて、助かるためになりふり構わぬところが、それぞれの人々から伝わってくるような、そんな映画になっています。

 

 少女も思春期ゆえ、若者に心惹かれたりするのですが、なにしろナチスの幹部の娘です、ユダヤ人はけがらわしい存在でさえあるわけで、その心情は複雑です。そこらへんの描写も丁寧にされています。途中、戦後になって、明らかにされたユダヤ虐殺の写真などが街中に掲示され、ナチス迫害に、民衆の手のひらも返っています。これさえ、連合国側のプロパガンダではあるのですが・・・。「サラの鍵」の逆バージョンでもあるし、「火垂るの墓」ドイツ版でもあるかなぁ。

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 結局、さまざまな苦労をして(女の武器も使おうとしたりもして)、祖母の家にたどり着き、厳しい祖母の家での暮らしが始まるのだが、これだけの「きつい世間」をわたってしまった少女は、もうおとなしく、大人の言うことを聞くような暮らしは出来そうもない。この先どうなっていくのか・・・で、映画は終わる。いやあ、大変だよねぇ。一種の洗脳であり、ナチスへの絶対帰依で成り立っていた世界が、ぶっ壊れちゃたんだから。とここで、邦題のアドルフがヒトラーのファーストネームであることに気づき、いやうまいなぁと。この内容で「さよならヒトラー」なんてつけた日にゃ誰も見に行かないかもね・・・。原題は「ローレ」、少女の名前だ。

 

 でも、こういう映画でその時代を検証し、もう70年近くたつのに、それにけじめをつけようとしている(日本だと、「もう禊は済んだ」みたいなことになるんだろうけど)ドイツ人の生真面目さも、なかなか見習うべき、すごい民族だとも思うわけです。

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ガイドブック 辰野シリーズいよいよ完成

 最終校正がやっと終わり、ガイドブック辰野町シリーズ第1弾第2弾「小野宿」と「沢底」が完成しました。ちょっと勇み足で地元の新聞「たつの市民新聞」に出たのですが10数件の問い合わせで、期待が持てるすべり出し。なんか富士見とは違うんだよなぁ・・・と思っています。辰野役場からの熱い応援のようなものも強く感じますし・・・なんなんでしょう。諏訪と伊那の違いって言うのもあるのでしょうか?

 で、今週から小野のこめはなやさんで買うことができるようにすべく、努力している(と言っても持ってくだけなのですが)ところです。ぜひ買って!読んで!歩いて!ください!!

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中野ブロードウエィ、そして久しぶりの古本屋

 武蔵境の武蔵野プレイスに行くついでに、高円寺の古本屋に寄ろうと想い、快速で中野まで行き、戻るついでに「そうだ中野駅前通にもいい古本屋があったよな」と思い出し、途中下車してみました。で、探したのですが、なくなっている。そこで商店街を一番奥まで行ったら、中野ブロードウェイに行き着きました。ああ、これが・・・と思いつつ、覗いてみると・・・。ありましたありました。セル画やコスプレの店の間に漫画関連書が主ですが、一般書も置いている古書店が。そして、やけにマニアック。ついつい2万円も買ってしまい、両手にものすごい手荷物に・・・。この書店「まんだらけ○○店」みたいな感じで3~4箇所に分かれてあり、それぞれ、オカルト関係、精神世界関係、性風俗関係(まじめな研究書からきわどいものまで)、専門的なものから通俗的なものまでそろう哲学関係と、こりゃあ通いそうといった店舗展開でありました。両手に花で、目当ての高円寺の高架下古本街はあきらめ、武蔵野プレイスを見て、帰路についたのでありました。たまには東京もいいかな。やっぱ文化の集積度が違うので、いい本があるわ。また行こうっと。

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御射里の会から引き継いで:レンタルヒツジに引き合いが・・・

  ステップアップゼミと同様に御射里の会の活動も、発展的に解消(せざる得ません:メンバーの高齢化で)することになるため、それまで行っていた活動をそれぞれ引き継いでいかねばいけません。ヒツジ牧場は実質的にはまちミュー諏訪の管轄のような形に、ブルーベリー農園は直売所の管轄のような形に、ビオトープとして作ったいくつかの池はそれぞれ担当していたものや所有していた者が個人的に管理・・・とそれぞれ引き継がれます。よって、全体としてはまとまって見えますが、維持活動は個人の営農(大げさに言えばです)の範囲に入ることになります。もともと地主や、関わるものが維持管理してきたので、妥当なことと思います。  

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   で、なのですが、このところ、レンタルヒツジに引き合いが来ています。一つは諏訪の小学校。1年飼って毛をつむいで何かを作りたいとか。もう一つはいいだの小学校、こちらは1年半飼って 繁殖させ、仔ヒツジをが生まれるところを見せたい・・・と言う話。毛がりの方は、まあ、引退後のオスをかわいがってもらおうと、すぐ話が決まりそうですが、難しいのは、繁殖のほうです。「生まれる」と言うのはそんなになまやさしいものではなく、常に「死」と隣り合わせなもの。その辺をどうわかってもらえるか・・・がポイントになります。まあ、そこらがあるので、「御射里の会で飼っている」というところから卒業しなければならないわけなのですが・・・。表向きは「みんなで飼っている」と言う話は出来ますが、実態は半端なものではないわけで、「御射里の会のヒツジ担当がやってます」なんて一言で言われてしまうと、憤慨したくなるような苦労が付きまとうわけです。その辺がわかってもらえるなら、繁殖も含めてレンタルできるということになりますが・・・。さて、どうなることですか。

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そろそろこういったのには辟易・・・・武蔵野プレイス

 行ってきました。久々の図書館です。それも話題の・・・・武蔵野プレイス。今まで、武蔵境などという駅は降りたこともなかったのですが、ちっちゃい駅だなぁと思っていたが、さすが東京、駅前は“おまち”でした。外観はこんな感じで、おされ(お洒落)。

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 で、中身はと言いますと、一階は自動貸し出し機がずらりとあり、その奥がカフェで、あとは雑誌と新聞など。ざわざわしているので、割と居やすい感じです。それと、新着図書と返却されたけど棚に返っていない図書の棚がスカスカだけれど見やすい感じでした。特筆は、予約図書コーナー。予約して、取り置きしたものがずらり。自分でやんなさいということですね。カウンターの仕事が見事に合理化されていました。

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 メインは、地下一階。一般閲覧室です。ここは窓のない落ち着いたスペースと、一階からの吹き抜けの明るいスペースに別れてメリハリがついてます。窓のないほうは重厚なイメージで、「the 図書館」つう感じです。

 明るいほうに 郷土資料がありました。これは特筆なのですが、多摩信用金庫というところがとてもいいブックレットをたくさん出していて、非常に文化的な郷土資料がたくさんそろっていました。

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 地下2階は子供たちのスペースになっていましたが、ワイワイガヤガヤしてる割に、監視人みたいなのがいて、写真を撮ろうとしたら、「ここは撮影禁止」とかいいながらすぐとんできました。子供たちはスマホで写メやってたのですが・・・。大人はダメみたいです。

 3階は、実用書コーナーで、趣味やDIYなどの本。・・・・とここまで見て、書いてきて、なんだか疲れてきている自分がおりました。そうなんですこういう、予算がいっぱい使える都会の図書館を見ることに辟易してきている自分がおりました。

 最近、人口的にも手ごろな、人がそんなに多くない名古屋に行きつけているので、武蔵境あたりでも、なんだこの人の量は・・・と思ってしまうのです。

 

 そして、なんとなく自由をよそおっているものの、子供が走っていると「ここは走っちゃダメ」と注意したり、撮影禁止を言いに来た「監視人」の素早さ、役人然とした態度に、山中湖の創造館とは対極の思想を見たのでした。山中湖創造館は、走っていい日ってのがあって、その日は図書館で多少騒いでもいいんですよ。

 そんなことを感じて、今度は田舎の評判のいい、こじんまりとした図書館を見に行こうと思ったのでした。

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村上春樹の社会的な仕事「約束された場所で」

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村上春樹の小説はどちらかと言えば、現実を切り取っているようで、実は、現実からかけ離れた空想小説の要素も多く持っている。しかし、非常に社会的な仕事もいくつかしており、今回はそういう仕事を通して何を僕たちに伝えたいのか・・・と言うことを考えてみたい。

  この「約束された場所で」という本の中で、オウム真理教の信者に対する聞き書きを行っている。これに先駆けて、「アンダーグラウンド」と言う被害者への聞き書きを出しているが、私にとっては、こちらのほうが興味深い。まあ、あれだけの犯罪を幹部が実行してしまっているのだが、宗教としてそこに関わっているものには、自分たちの信心がまず大事であり、そのことを切々と語るその態度に、自分たち作家と同じ性状を感じ取っているあたりは鋭いと言える。そして、信者が教祖(麻原)に対して、絶対帰依していたかどうかと言うことにこだわった、聞き取り作業を丹念に続け、その本質を暴き出す。結局は、現代社会が持つ、疎外的な性質ゆえに、エリートが身に付けた技術や知識を、有意義な目的のために使えておらず、その不完全燃焼感が、オウムのようなカルトを作る遠因になっていると言う。それが、普通の市民である彼らが、絶対帰依に走ってしまう理由なのである。この辺は森達也の仕事ともかぶってくるわけで、対称的に世界観を語っている。それは、一種の現実逃避でもあるのだが、宗教の内部にユートピアを作ってしまい、そこに安住することで、心の平安を保つことになる。そして、この言葉で、締めくくる。「現実と言うのは、もともとが混乱や矛盾を含んで成立しているものであるのだし、混乱や矛盾を排除して、一見整合的に見える言葉や論理に従って、うまく現実の一部を排除できたと思っても、その排除された現実は、必ずどこかで待ち伏せして、あなたに復讐することでしょう」と。これは、至極あたりまえのことだと思う。

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まちミュー諏訪 バスツアー in 「小野宿」

 いよいよ出来上がった、辰野町たのめの里小野宿のガイドブック。それにあわせて実施された、つなぐNPOとの合同ツアー。地元の人の案内で非常に盛り上がったツアーになりました。バスは30分ほど遅れて小野神社に到着。まずは、小野神社と弥彦神社を見学します。この二つ並んだ神社の不思議に一同感動のひと時。

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 そして、筑摩書房創設者の古田の記念館を見学します。ここでは、古田と太宰治の友情関係、空中渡り廊下建築など見所、聞き所満載です。食事は山下清ゆかりのタイガー食堂で、辰野名物B級グルメ「ほたる丼」に舌鼓。地鶏がうまかったぁ~~。

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 その後、小野酒造、初期中仙道小野宿問屋などを見学し、「こめはな屋」でお土産を買ってツアーは終了。地元とツアー参加者との交流も暖かく、大成功のツアーとなったのでありました。めでたしめでたし。

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映画「鉄くずひろいの物語」

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舞台は、ボスニア・ヘルツェゴビナ。そこで、鉄くずひろいで生計を立てている「ロマ」(ジプシー)の一家の物語だ。まあ、貧しい家庭なのだけれど、なぜそんな風になったかは、中盤でちらりとほのめかされるだけで、あまりテーマとしては挙げられていない。もちろん内戦のときに兵士として参戦し、その後、職業に就けない・・・と言ったところだ。

 そんな家族が、細々と生計を立てているのが、車の解体をしてその鉄くずを売っているという「仕事」だ。どうも、ボスニア・ヘルツェゴビナでも戦後、経済がそれなりに発展しているらしく、そういった廃棄物には困っていない風だ。それでも、最底辺の暮らしであることはうかがえる描写があちこちにある。

そんな中、妻の具合が悪くなる。夫は病院へ連れて行くのだが、どうも重症らしく(胎児が亡くなっていて摘出手術が必要)、手術料金も高額になるらしい。しかし、貧しさゆえ公的な保険に入れないので、自費で支払いをしなければならない。「そんな金はない」にもかかわらず・・・。お金が払えないと、手術はしないと、もう無慈悲な医者が宣告する。どうにも出来ない夫は、それでも鉄くずを拾いに行く。ここが無力感溢れる非常にやるせないシーンだ。そして思いつくのが、義理の妹の保険証を使うこと。これがうまくいき、文字通り一命を取り留める妻。そんなわずかな金も払えず、結局、故障した自分の車を解体して、鉄くず屋に売ることになる。手にしたお金は、電気代が払えず、とめられてしまったその代金と、妻の手術費用で消えてしまう。そんなことで病院へ行き来する背景には、大きな工場と煙突から出ている煙とが映し出される。その対比が物悲しい。

戦争ですさんだ心と、進行するグローバリズム。世界の隅々までこういった現象が浸透していくしかないのだ。

 

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