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2014年5月

「本当はひどかった昔の日本」で回顧趣味に一撃

 タイトルと表紙イラストが、よくあるトンデモ本っぽいのですが、いやなかなか、古典をかなり読み込んでいることが伝わってくる非常に面白い本でした。巻末にあるリストから、古典への旅を始めてみるのも、面白そうです。
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 それでも内容的には、現代受けしそうな、センセーショナルな分類でくくられています。たとえば、大阪で起きた育児放棄による子供を放置して死に至らしめたあの事件です。この事件と間引きや子殺しが日常的に行われていた江戸時代中期以前を比べています。捨て子が誰にも拾われず、犬に食われてしまうという、「人は犬に食われるほど自由だ」というパルコの広告にあった、ちょっと前のインドのような状況が繰り広げられていたことをさまざまな古典から類推しています。まあ、それがひどかったという感じで。このへんは、少年犯罪などもあわせ、今の感覚で、マスコミにあおられている私たちがいるわけですね。

 で、こういったことで、「昔はよかった。今はひどい世の中だ。」よいうような懐古趣味にくぎをさすわけなのです。といっても、強力にと言うわけではなく、なにげになのですけれど・・・。そして、そんな例証の中に、ちょっとした真実も入れ込んであります。たとえば、皇太子がかつて結婚相手の条件として挙げていた「美しいものを見たときに、それを美しいと評価できる人」と言うのがありました。これは決して、その場で思いついたものではなく、権力の血筋を重ねる中で、美しさへの感度が上がっていき、センスは洗練されていく事から、発せられた言葉だと言います。本当に美しいものが何かがわかる人が一流とされ、もはや在りし日の権力がなくなった後も、「美しさのわかる人」でなければならないという、一種の掟をしっかりあらわしているのです。これって、宮崎駿の「風立ちぬ」とも、リンクする考え方だと思います。 

 そんな真面目な考察もたっぷりありますが、「本朝文粋」と言う古典の中にある、「鉄槌伝」という暗喩でエロスを語ると言う、あまた世界水準である手法の文章も、語っちゃいます。といく原動力となっていったわけです。この原文は漢文なので、それなりの素養が無ければ読めないものですが、鉄槌氏という人物が語っていると言う設定で、「男根論」を語らせているものです。これなど、風来山人(平賀源内のペンネエーム)の「萎陰隠逸伝」(なえまらいんいつでん)へと通じる、日本的エロスの草分け的な存在です。もちろん彼女の別著「愛とまぐわいの古事記」にもつながるものなんです.

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今年もヒツジの毛刈りイベント

 

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 毎年の恒例行事になってきました毛刈りイベント。今年も、いい天気に恵まれ実施することが出来ました。ここ数年、人工哺乳のヒツジが出ているので、ヒツジの哺乳体験もイベントの中に入れ込んでいます。これがなかなか人気でありまして、これを目当てに参加される方もいるくらいです。人工哺乳していると、ヒツジがよく人に慣れてなついているので、本当に身近に触ったりできるわけです。これは子供たちには何よりの体験になっていると思います。今年イベントで刈ったヒツジは4頭です。毎年ちょっとずつ刈るようにしてきていて、既に2頭は刈ってあります。残りは3頭、どんな風にするかはこれから考えるところです。

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モラトリアムはやっぱり先進国病だよね・・・映画「コーヒーをめぐる冒険」

 ということで、「何をやってもうまくいかない」というありがちな映像表現であります。それが、ほぼコーヒーを飲むことであるところがミソ。そして、映画が終わって三々五々帰るか階段で、「やっぱり、パリって感じだね」などと感想をもらしていた若者がいるように(実際はドイツで、都会はたぶんベルリン)、おしゃれ。そういうところから、モラトリアムを描いてるわけで、どう見ても先進国の贅沢な悩み&病いであることを明確に提示しておりまする。

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 物語は、大学を中退してしまっているのに、まだ通っているとウソをつき、父親に生活費を援助してもらっている青年。とくに何になりたいと言うような望みもなく、ダラダラとすごしています。友達とつるんで遊びに行く途中で、高校時代の同級生(女性)に偶然出会い、なんとなくまとわりつかれます。彼女が参加している前衛演劇なんかも見に行ってしまい、彼女の部屋に誘われるんですが、高校時代に肥満だった彼女に冷たくしていたことを、過去の汚点のようにえぐられてしまいます。また、父親にゴルフ場に呼び出され、大学を辞めていたことがばれて、なじられます。その帰りの電車では無賃乗車をたしなめられ・・・といいことはまったくありません。

 あげく、コーヒーを飲みに入ったバーで、またまた飲むことが出来ず、たまたま隣あわせ、有る意味興味深い、ナチス時代の話を聞かせてくれた老人が倒れ、病院に付き添いますが、明け方亡くなります。赤の他人なので名前すら教えてもらえません。で、そこから家に帰る途中で、やっとコーヒーにありつけますが、なんとも「こんな苦々しいコーヒーはない」と言うようなしかめ面で飲み干すのです。

 飢餓も貧困も、戦争も平和も、彼のモラトリアム状態には、何の影響も与えません。ひたすら贅沢な日々を過ごすだけなのか・・・・。投げかけている、問題提起は大きなものだと感じました。

 でもドイツ映画特有の鼻につくようなまじめさが無く、本当にこじゃれたフランス映画のようで、楽しめました。軽い言い方ですみません。

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ヒツジのミルクやり体験

 連休中に、いつも近くで活動している方の、お子さん夫婦が2組みえて、ヒツジの赤ちゃん(人工哺乳中、2頭)にミルクやりの体験をしていきました。

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 まあ、このところ飲みっぷりがいいので、ちょっと小さな子はびっくりしてしまいましたが、みんなでわあわあ言いながらの体験で、いい思い出になったかなと思ってます。

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 普段は東京に住んでおられるとか。ちっちゃな子も進んで体験してました。わが子の写真を撮るお父さんもうれしそう。

 

 ミルクやり体験は、ヒツジの毛刈りイベントでも、今年もやりますので、興味のある方は是非おいでください。

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山菜三昧

 今の季節は、こういう暮らしをしていると、端境期で、食べる野菜があんまりありません。6月終わりごろにサヤエンドウや春大根などができるまで、まあ、アスパラとか、菜っ葉の塔立ちみたいなものを食べてるわけです。

 で、この時期出始める山菜が貴重な食物になるわけです。そういうことで、今年も、コゴミ、コシアブラ、タラの芽、シイタケなどぼちぼち食べられるものが出てきました。

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 豪雪のせいか、例年より遅い感じです。コゴミはおひたしに、あとのものは、ヨモギも摘んで、てんぷらにして食べました。コゴミ、タラの芽、コシアブラは敷地の中に生えてきたものを保存的に作っています。シイタケは植菌したものです。

 この後、ウド、ワラビ、山のアスパラのシオデと楽しみな山菜が続きます。あんまり山菜ばかり食べると、お尻が渋くなるので要注意なのですが・・・。

 

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田んぼのもみまき

 今年から、自分で田んぼのもみをまいて、苗を育てることにしました。で、1週間ほど前ですが、やってみました。

 

 今までと同じやり方で、みのる式ポット植え用の苗箱を使います。近所でいらなくなったもの(田植え機で使えないもの)をもらってきました。まず、土を入れます。これは購入したもので、苗箱20枚なので、2袋で余りました。

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 次に、機械だとでっぱりのついたローラーで押さえて植穴を作ったのですが、手作業なので、空の苗箱を土の入った苗箱に乗せて、上から体重をかけてやってみました。

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 うん、なかなかいい感じ。これにモミをまいて、覆土をします。

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 で、近所にほんとにこのためにあるようなちょうどいい池があり、そこの一角をお借りすることにしました。そこに苗箱を伏せて、べた掛けの有孔ポリをかけただけ。実に簡単です。今日見てきたら、うまいこと芽が出てきました。種モミは20日余り、やはり近くの谷川の流水の中につけました。最後の1日30度くらいの、いわば、「お風呂」に入れます。こうすると、酸素がうまく補給され、かつ冷たい水なので、丈夫な苗になるそうです。

 で、ちょうどいい池に伏せたところ。

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 種モミを丁寧にまいたので、そこに時間がかかりましたが、午前中で作業は終了。いろいろビニールやら保温材やら掛けなくてはいけないと思っていたので、こんな簡単だったら、最初から自分でやればよかったなと思った次第です。芽はざっくり出てきました。

 

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「ヤンキー経済」 何とも差別チックなタイトルですが、意外に真実を・・・

 

何とも差別チックな題名の本ですが、箸休め的に読んでみたら、意外に面白かった(といっても本の内容自体はそれほどではないです)ので、取り上げてみました。まあ、「ヤンキー → B層 : 悪夢の再生産システム → 日本の将来は暗い」 みたいな流れになってしまうのですが、とりたてて、新しい視点というのではなく、そのあたりを示してくれてます。といっても、社会学的なアプローチではなく、ひたすら「奴らの好みを知って、そこをターゲットにすれば儲かりまっせ」というメッセージに撤しているのですが・・・。

 ここで言っているヤンキーとは、表層的には、一昔前の竹槍バイクで河口湖へ日の出暴走するとか、いわゆるツッパリといわれる恰好をしていた人たちです。が、それをひどく広げた概念として提示しています。まあ、平たく言えば、地元から出ずに一生を終わってしまう人たちです。ここでは、地元というのを半径5キロくらいと想定していますが、まあ、もうちょっと広いかなと思います。

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 彼らの特徴は、小中学校の仲間を大事にし、東京などに一度は出たりしますが、基本的に帰ってきて地元で就職、上昇志向はあまりありません。学歴はさまざま、大卒でもここに属する方もいるようです。そして田舎に限らず、練馬とかそんなところでもおられるようです。で、まあ、よく聞く音楽はエグザイル(かつてはBOWY)、休日はイオンショッピングセンターにお出かけ…こんな感じです。で、日本のマジョリティは基本的にこのカテゴリーに属するような感じです。あの河原で、日曜日に家族ぐるみでバーベキューなんかしている方たちなんかも入ると思います。

 と、ここまで書いてきて、例のB層というのにたどり着くわけで、これって、誤解を恐れずに言わせてもらえば「消防団経済」とか「商工会経済」とか「役場の職員経済」なんていっちゃってもいいわけで、そういう意味でとても面白く読めました。地域づくりで、目標的に語る、地元の方の自尊感情ってのがありますが、この層に属する限り、そういったものであふれているわけで、なんだかエリートに対するルサンチマンさえないのでは思います。そういう意味でも考えさせてくれる本でした。くれぐれも、本の中身自体はマーケティング志向で薄っぺらいです。

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