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「ウェス・アンダーソンのお仕事」

 グランド・ブタペストホテルがなかなかの評判で、早速見に行き、一発でこの監督のファンになってしまった。たまたま機会があり、何作か見ることが出来た。基本はコメディなんだけれど、こう、強烈な作家性というか、一種のズレが全編に漂っているので、そういう意味で一度見たら忘れられない感じの監督だ。ハリウッドで撮りながら、カルト的な異端に陥ることなく、一風変わった作風でコンスタントに良質なものを撮るという、神業的な作業をやってのける。アメリカも捨てたもんじゃない。

Photo



 このグランドブタペストホテルも、架空の国の架空のホテルが舞台。それでもなんとなく第2次世界大戦が起こる頃の東欧って感じ。たぶんオーストリアあたりの設定だと思う。で、物語は凄腕のホテルマンがお客の心をわしづかみしていて、そのお客の一人が、殺害(?)され、その謎を追うというサスペンス仕立てになっている。

   どうも殺害したのは家族みたいなのだけれど、そのあたりをそれなりに追っていく。映画的なちゃんとした筋もあり、スキーを履いて追い掛けるような山場も(なりゆきで追われる身にもなる)あったりして、娯楽作的な要素もふんだんに盛り込まれている。ほんとに久しぶりに面白い映画だった。それだけならまだしも、最後にクレジットで「シュテファン・ツヴァイクにヒントを得た」みたいなのが出る。ツヴァイクだよツヴァイク。この監督の懐の深さみたいなのが見えて、ますます好きになった。そう、タダの「娯楽作じゃないんだよ」と最後に言ってるわけ。


 この監督独特のシンメトリー画面がどこに出てくるかを、いくつあるのかなんてのを数えている人もいるかもしれない。それくらい、たくさんシンメトリー使ってるんだけど。それだけじゃない、魅力のある監督さんだ。
 

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