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2014年12月

「おやすみなさいを言いたくて」 ジュリエット・ビノシュ健在

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 若い頃の華々しい活躍に比べて、ショコラなどの小品はあったものの、いい作品にめぐり合えていなかったジュリエット・ビノシュ(ハリウッド版「ゴジラ」で一番最初の犠牲者だったりとか)ですが、久々の・・・と言った感じのいい作品です。

 主人公は戦場カメラマン。こういう役はまってます。完全に家庭を犠牲にしていますが、名声は得ています。まあ、名声のためというよりは、業に引きづられて戦場に赴いている感じです。設定が非常に左寄りで、エピソードも青臭いものが多いんですが、主題は家族との葛藤に置かれていますので、鼻にはつきますが、気になるほどではありません。
で、主人公の心の内面が淡々と描かれていきます。

 キャリアとしては戦場カメラマンという極端な設定ですが、キャリアと「おかあさんと妻」の間で揺れ動く、その切なさは、そういう女性の共感を呼ぶものでしょう。最後は、家族の理解も勝ち取り、戦場にも出向くというラストでハッピーエンドぽいな・・・と思った瞬間、
結構どんでん返しがおこって、僕らというより、主人公本人に突きつけるものがありました。これは非常に、非情にシビアなものですので・・・。ちょっと後味悪いラストかな。

 子役(といっても高校生くらいかな)の神経病みそうな演技もいいですし、父親のリベラルっぽさ、青臭さも、スパイスとして効いています。そのへんが、今年上映のあった、マット・ディモンの「プロミスト・ランド」を思わせる所もありますが、いい作品でした。

 なにを隠そう、わたくしビノシュの大ファンなのです。もちろん「汚れた血」で魅せられ、「存在の~」ではまり、「ポンヌフ~」でぶっ飛び、「トリコロール」で崇拝し、「こわれゆく世界の中で」の汚れ役に涙し、「トスカーナの贋作」の余裕のお遊びに付き合い・・・個人的にフランスの大竹しのぶ(ちょっと失礼か)と呼んでいるのであります。

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「砕かれた四月」 イスマイル・カダル

 アルバニアの作家、カダルの不思議な世界が広がる小説だ。山岳地帯の小さな村の中で、ある人間を殺したことによって、その人間を殺されたほうに一族がまた殺すという「掟」にしたがって、一種の復讐の連鎖が始まる。


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 本当にそういう掟があるのかどうかはわからないのだが、なんとなくありそうではある。まあ、一種の寓話としても優れているので、とてもスリリングに読める本だ。で、その当事者と、都会からやってきた知識人の妻とが、何らかのかかわりをもつ。それが何なのかは明らかにされないので、物語は非常にスリリングに進んでいく。

 その緊張感がこの小説の神髄だ。ラストもすばらしい。隣国のオルハン・パムクの手法と通じるものがある。西洋と東洋のぶつかり合いのようなもの、モダンと土俗のぶつかりあいのようなもの、それが主題かもしれない。

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霜月祭 ものすごい情熱と住んでいる土地への愛

 南信濃村(飯田市南信濃)の木沢というところに、遠山郷一帯で行われている、霜月祭を見に行ってきました。まあ、情報として、お面をかぶった踊り手による踊り、竈でお湯を沸かして神様を呼ぶ、徹夜で行われる…こんなところしか持っていなかったのです。で、ネットで調べたところ、木沢の正八幡宮で行われるものが、竈が3つあり、珍しいとのことでした。そこで、単純にそこに決め、出かけてきました。

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 あいにくの寒波模様で、辰野から先の中央道は吹雪。松川で降りたところ平野のほうはそれほどでもなかったので、油断していたら、矢筈トンネルを出たとたん、道路は真っ白で、地元の軽トラも30キロくらいで走っています。まあやられました。怖かった。しかし、そのおかげで、結局、観光客があまり遠山に入れず、例年の半分以下の観客ということで、すいていたわけで、まあ、リスクはあっても、結果オーライだったのです。

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 祭りのほうは、19時ころから見れたのですが、あちこちの神様を招いて、一風呂浴びてもらうという趣旨ですので、清めの祭事の後に、4~5回神様たちに湯加減を聞くという一連の流れが、0時ころまで続きます。そして、0時を回ると、剣舞やいろいろな舞いが執り行われます。このころから、多分下の村(その日は何か所かでやっていた)から流れてくる観客がぼちぼちあらわれ、一応例年通りの込み具合になったようです。そして午前3時ころより、面をかぶった演者が登場し、クライマックス。終わったのは5時近く、途中で眠くて何度も気を失いそうになったのですが、念願の祭りを見れたので、満足して帰ってきたわけでありました。

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