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「おやすみなさいを言いたくて」 ジュリエット・ビノシュ健在

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 若い頃の華々しい活躍に比べて、ショコラなどの小品はあったものの、いい作品にめぐり合えていなかったジュリエット・ビノシュ(ハリウッド版「ゴジラ」で一番最初の犠牲者だったりとか)ですが、久々の・・・と言った感じのいい作品です。

 主人公は戦場カメラマン。こういう役はまってます。完全に家庭を犠牲にしていますが、名声は得ています。まあ、名声のためというよりは、業に引きづられて戦場に赴いている感じです。設定が非常に左寄りで、エピソードも青臭いものが多いんですが、主題は家族との葛藤に置かれていますので、鼻にはつきますが、気になるほどではありません。
で、主人公の心の内面が淡々と描かれていきます。

 キャリアとしては戦場カメラマンという極端な設定ですが、キャリアと「おかあさんと妻」の間で揺れ動く、その切なさは、そういう女性の共感を呼ぶものでしょう。最後は、家族の理解も勝ち取り、戦場にも出向くというラストでハッピーエンドぽいな・・・と思った瞬間、
結構どんでん返しがおこって、僕らというより、主人公本人に突きつけるものがありました。これは非常に、非情にシビアなものですので・・・。ちょっと後味悪いラストかな。

 子役(といっても高校生くらいかな)の神経病みそうな演技もいいですし、父親のリベラルっぽさ、青臭さも、スパイスとして効いています。そのへんが、今年上映のあった、マット・ディモンの「プロミスト・ランド」を思わせる所もありますが、いい作品でした。

 なにを隠そう、わたくしビノシュの大ファンなのです。もちろん「汚れた血」で魅せられ、「存在の~」ではまり、「ポンヌフ~」でぶっ飛び、「トリコロール」で崇拝し、「こわれゆく世界の中で」の汚れ役に涙し、「トスカーナの贋作」の余裕のお遊びに付き合い・・・個人的にフランスの大竹しのぶ(ちょっと失礼か)と呼んでいるのであります。

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