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「砕かれた四月」 イスマイル・カダル

 アルバニアの作家、カダルの不思議な世界が広がる小説だ。山岳地帯の小さな村の中で、ある人間を殺したことによって、その人間を殺されたほうに一族がまた殺すという「掟」にしたがって、一種の復讐の連鎖が始まる。


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 本当にそういう掟があるのかどうかはわからないのだが、なんとなくありそうではある。まあ、一種の寓話としても優れているので、とてもスリリングに読める本だ。で、その当事者と、都会からやってきた知識人の妻とが、何らかのかかわりをもつ。それが何なのかは明らかにされないので、物語は非常にスリリングに進んでいく。

 その緊張感がこの小説の神髄だ。ラストもすばらしい。隣国のオルハン・パムクの手法と通じるものがある。西洋と東洋のぶつかり合いのようなもの、モダンと土俗のぶつかりあいのようなもの、それが主題かもしれない。

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