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2017年4月

汚れたミルク

 続けて同じ監督(ダニス・タノビッチ)さんの映画です。連続上映だったので。この映画は、世界的企業のネスレが作って第3世界に売り込んでいた、粉ミルクについて、パキスタンで雇われたセールスマンが内部告発するという内容になっています。やはり、この監督さんらしく、その告発劇を映像化するためのミーティングが舞台になっているという、劇中劇風のつくりになっていて、ちょっと付き合うのに、めんどくさいです(笑)。

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 ドキュメンタリー風に、時系列で事件(内部告発の)の内容がわかるように作ってあるので、ふむふむこういう内容かと・・・わかりやすいんですが・・・。これって普通に行われていることじゃん・・・なのです。粉ミルクの会社が、現地の医師に、お金やいろいろな便宜でとりいって、粉ミルクを患者や乳児を持つ母親に勧める。いわゆるマーケティングとか、リベートとか、そういった、ビジネスの世界では当たり前になっていることを、「いけないこと」として描きます。もちろん、汚れた水しか手に入らないパキスタンの実情があり、その汚れた水でミルクを溶かせば、汚れたミルクなわけで、そんなものを乳児に与えれば、病気になるのはあたりまえです。そのあたりまえが知っていてやっている犯罪として描かれるような、チープなイメージなんですが、そこで終わっていないのがこの作品のすごい所。ネスレが、映画の中で反論しているように、国民にきれいな水を供給できないパキスタン政府が悪い。ネスレの製品そのものに毒が入っているわけでもないし、欠陥品を売っているわけでももない。これは、そういえば言えることなんですね。

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 一見、そういったリベートを渡すという汚職のような構造を悪として描きながら、実はその本質的に「告発」したかったのは、資本主義のシステムそのものなんですね。ものを作って、宣伝して売ることを、「いけないこと」として、描いているんです。そう、ネスレ(劇中では一回だけネスレと出てきますが、あとは「ラスタ」社とされています)だけが悪いわけではない。資本主義の本質的なシステムが悪い。私たちがごくごく当たり前に受け入れている、宣伝されているものに信用を置く、とか、大きな会社のものは安心だ、とか、ことさらこの映画の中で強調されている、欧米のものへのあこがれ、とか、そういったものを批判している。こりゃ、問題作です。ここまで言っちゃってる映画ってあったっけ。そういう感じです。極左のプロパガンダ映画みたいなのを、娯楽作的に作っちゃってる。改めてこの監督のすごさを知りました。

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サラエヴォの銃声

 はい、久しぶりの映画です。今回はボスニアヘルツェゴビナの監督さんの作品。身体の下に地雷を埋められて、動けないあげく、もよおしてしまって・・・「ノー・マンズ・ランド」や民族の違いによって、独立やら、周辺の民族との関係やら複雑で、戦争が起きてしまったボスニアヘルツェゴビナの国内の少数民族の苦悩を扱った「鉄くず拾いの物語」などで知られる監督です。申し訳ないが、名前は覚えられません。調べました。ダニス・タノビッチ。その監督さんの最新作です。

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 お話は、第1次世界大戦の始まりとなった、あの発砲事件。オーストリアの皇太子夫妻が殺害されました。舞台はサラエヴォ。その事件から100周年を祝うというか、記念するイベントが開かれようとしています。ヨーロッパの首脳なども集まる様子で、宿泊先となるホテルは準備に大わらわといった風です。このホテルの内部が結構ドタバタしていて、大事な日を前にストが予定されていたりします。この旧ユーゴの地域の入り組んだ政治的背景は、僕らにはわからない世界なんですが、イベントの一環として、ジャーナリストがいろいろな人にインタビューしているという設定の映像が流れ、なんとなくですが、解説してくれます。

 ホテル内部の人間模様が、主たるテーマのように扱われ、群像劇ふうに進むので、最初はとっつきにくくて、眠くなります。しかし、次第に様子がわかってくると、手振れ風のカメラワークの影響もあって、緊張感が増してきて・・・

 この1914年の暗殺事件そのものが、失敗を重ねたうえで、ふとしたはずみに偶然が重なって、起きた事件というのが伏線にあります(その経緯は初めて知ったんですが)。そして、この映画の中でも、ふとした弾みの発砲で、銃声が・・・

 う~~ん。これは見終わって、史実を調べて初めて理解できるという、ひねりにひねった映画。どう評価したらいいんだろう?面白いかといえば面白いスリリングな映画でした。 

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天龍村大河内 鹿追い祭

 ちょっと前ですが、天龍村に鹿追い祭というのを見に行きました。鳥獣害に悩んだ村人が始めたものとも、後半に、疫病神送りがくっついているので、コトヨウカ行事の変形のようにも、言われています。

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 こんな感じの藁で作った夫婦の鹿を、禰宜様が弓矢で打ちます。そこに至るまでに、ちょっとした芝居がかった問答があります。鹿を探しに行った村人が、足跡を見つけて、山から追い出すのです。もともと、「シカウチ」とか「シカダキ」とか言われていたようですが、文化庁に指定されたときに、鹿追いになったとか。なんだかなぁ。

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 そして打たれた鹿の死骸です。はらわたは餅で、子供たちが取り出します。昔は「我さき」だったようですが、今はそんなに子供がいません。そのあと、餅まきが行われ、場所をうつして、疫病神送りとなります。こんな感じです。

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  そしてこの疫病神を村境まで行っておいてくるのです。ここが、村境。昔はかついで運んだそうですが、今は軽トラです。子の場所は神墓(かみはか)と呼ばれています。昔はもっと山の中ということでした。

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辰野町小野飯沼の取材

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  大幅に遅れていた辰野の飯沼の取材。後回しになっていた、藤沢の神社の場所などの取材と、山口集落で何かネタを見つける、下村の飯縄神社の由来調べ、水晶山の甲子様など、あちこちに散らばった懸案を片付けるための取材です。塩尻市楢川の桜沢から見に行って牛首峠を越えて山口あたりからと思って出かけました。 桜沢は、前から見てはいたのですが、改めて止まって、車から降りて見ると、小野宿の問屋と勝負できるほどの茶屋本陣がありました。明治天皇もお休みした場所とかで、なかなかです。
 そして、文献で調べておいた、中山道と初期中山道の分岐にも行ってみました。下を国道が通っているのですが、木曽川がはるか下で、結構スリルのある杣道で、怖かったです。

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  その後、小野へと向かおうとしたら、なんと冬季通行止めです。仕方なく善知鳥峠周りで小野へ。水晶山の甲子様にある大黒、恵比須の可愛さと、下村飯縄神社のお祭りの話、山口集落の山中にある石仏群や裏山の御嶽信仰など、収穫が多い取材でした。満足。

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