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フリオ・リャマサーレス

 スペインの作家です。翻訳家の腕がいいのだと思いますが、はぎれのいい素晴らしい語り口の文章で、久々によい作家に出会えた感じです。中長編の小説が3~4、短編集やアンソロジー風なものが5~6編あるようです。寡作らしい。取り上げているテーマや素材に、世界的な作家のセンスや雰囲気を感じます。

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 長編の「黄色い雨」と「狼たちの月」は、いずれも、もう逃れられない運命の中で、次第に追い詰められ、もがいていく人間の本性を描いていく。行きつ戻りつする心の葛藤、そのあたりの描写が、乾いた言葉でつづられた文章ゆえ、読む者の胸に突き刺さってくる。

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 そして、回想録のような体裁をとっているのが、「無声映画のシーン」。様々な人々の様々な暮らしを描くことで、そのありようが、「スペイン」をあぶり出してくる。自伝的に自分と周りの人たちを描いているように見えるのだけれど、その素材によって、スペインの「風土」をきっちりと描き切れている。思わずまとめ読みしてしまった…ということです。

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